「自民党から呼び出しくらって」「仕方なく東大」…マウンティングの沼に迫る 〝やってはいけない〟投稿は
うれしいマウンティングの輪
『マウンティング大全』には、ビジネスにおけるマウンティングだけでなく、ワインや古典、茶道といった伝統文化にまつわるマウンティングも収録されているが、どうやってここまで幅広いマウンティングを集めたのか。 「SNSで常にマウンティング関連情報を発信していると、自然と入ってくるんですよ。因果応報です」 実際、「X」のアカウント「@mountingpolice」で、積極的に最新のマウンティング事例を紹介してきたマウンティングポリスさん。最近では、『マウンティング大全』の感想とともに、新たなマウンティング事例を教えてもらうことも少なくないという。 たとえば、「企業弁護士」を名乗るアカウントからは、弁護士業界のマウンティングとして「Webサイト作ってないアピールとかも欲しかった」というコメントが寄せられた。 「出版をきっかけに、マウンティングの輪が広がるという、うれしい流れが生まれています」 今後も、マウンティングポリスさんは、マウンティングの連鎖を引き起こすべく、SNS発信に力を入れていくという。
リベラルアーツとしての価値
執筆にあたってマウンティングポリスさんが意識したのは、近年、進化がめざましいAIの存在だったという。 「AIがこれまで人間がやってきたことを代行するようになる中、人間らしさってどこにあるのか考えた時、その一つはマウンティングじゃないかと思いました。AIができないこと、苦手なことを解像度高く理解する。これはビジネスに関わる人間にとって競争優位になる重要な視点だと考えます」 『マウンティング大全』がユニークなのが、マウンティングの事例紹介にとどまらず、マウンティングの活用術にも焦点を当てていることだ。 事例紹介だけに終わらせなかったことについて、マウンティングポリスさんは「リベラルアーツとしてマウンティングを理解してもらいたかった」と語る。 「マウンティングは単なるおもしろコンテンツとして消費されるものではありません。マウンティングを学ぶことを、自分をアップグレードさせるきっかけにしてほしいと考えました」 もともと「天邪鬼な性格」だというマウンティングポリスさん。 「一般的にネガティブにとらえられがちなマウンティングですが、それをポジティブな視点で見てみる。そんな発想の転換があった方が、マウンティングに親しみを持ってもらえると考えました」と明かす。