台風14号は温帯低気圧に変わる 前線と一体化して本州へ 大雨や強風エリア拡大警戒
台風14号は午後3時、温帯低気圧に変わりました。ただ、秋雨前線と一体化して前線の活動が強化されるおそれがあり、これまで以上に警戒が必要です。
台風14号は温帯低気圧に
台風14号(プラサン)は今日21日午後3時、温帯低気圧に変わりました。 台風14号は今月15日午後9時、マリアナ諸島で大型の台風として発生しました。あまり発達はしなかったものの、発生後は北上して19日には沖縄本島を通過しました。 その後は一旦大陸に上陸し、上陸後に進路を急に東へ変えて、黄海に抜けていました。 「プラサン(Pulasan)」とはマレーシアが用意した名称で、果物の名前です。
元台風14号は前線と一体化
台風14号から変わった低気圧はこのあと、秋雨前線上を東に進む予想です。低気圧の中心付近には発達した雨雲がまとまっているほか、低気圧の周辺では風が強まっています。 雨や風の強い状態を維持したまま東に進むため、進路にあたる九州北部や北陸、東北を中心に、低気圧の通過のタイミングで大雨に加えて暴風となるおそれがあります。 もともと台風であった低気圧が前線に取り込まれたことで、秋雨前線の活動がさらに活発となり、大雨となるエリアが拡大する可能性があり、前線の動きに注意が必要です。
能登半島などで雨量がさらに増加
今日21日は秋雨前線の影響で能登半島を中心に、すでに記録的な大雨となっています。 能登半島では午前中、線状降水帯が発生し、輪島市では昼前、観測史上最大となる3時間雨量220.0ミリを観測しました。 輪島市ではたった3時間で、例年9月の一ヶ月分の雨量を超える雨が降るなど経験したことの無いような大雨となり、気象庁は石川県輪島市と珠洲市、能登町に大雨特別警報を発表しています。 北陸ではこのあとも大雨が続く予想で、明日22日正午までに多い所で200ミリの雨が予想されています。土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水などに最大級の警戒をしてください。
広い範囲で雨が強まる
北陸以外の地域でも明日22日にかけて、広い範囲で大雨となる可能性があります。 前線や低気圧が本州付近を通過することに伴い、広範囲で雨や風が強まります。特に東北ではこのあと、さらに雨の降り方が強まり、雨の降る量が増える見込みです。 明日22日正午までに予想される雨量は、多い所で、東北150ミリ、関東甲信120ミリ、東海180ミリ、近畿150ミリ、中国地方180ミリ、四国200ミリ、九州北部150ミリ、九州南部150ミリ、沖縄80ミリとなっています。 前線や低気圧の動きによっては、局地的にこれ以上の雨が降るおそれがあります。最新の情報を確認してください。
日本気象協会 本社 日直主任