【感じる姿を見たかった…】痴漢後に線路を走って逃走…60代容疑者の友人が語った「悲しき転落人生」
「征服感を得たかった」
「私が痴漢行為をする目的は、被害者が嫌がる姿を見ることで、征服感を得ることです。そして最終的に、女性が感じている姿を見ることができれば、最高だと考えていました」 【写真】「征服感を味わいたかった」痴漢後に線路上を逃走…60代容疑者・戦慄の素顔 JR埼京線内で当時18歳の女性Aさんに痴漢をし、線路内に逃走した元タクシー運転手の岩橋英治被告(61)は、警察の取り調べにこんな呆れた供述をしたという。 岩橋被告が不同意わいせつと威力業務妨害の疑いで警視庁新宿署に逮捕されたのは’24年8月12日のことだった 「事件が起きたのは’24年5月27日。岩橋被告がJR埼京線内でAさんのスカートの中に手を入れ、下半身を触ったところ、Aさんは携帯電話でその状況を撮影していた。新宿駅で『触りましたよね?』と手首をつかみ、駅員に引き渡したのですが……なんと岩橋被告はホームから線路内に飛び降りて逃走したのです。 岩橋被告は7月22日にも線路内に立ち入って、威力業務妨害の疑いで逮捕されていました。岩橋被告のスマートフォンからは、女性の後ろ姿などを盗撮したとみられる画像が100枚以上見つかっているということです」(全国紙社会部記者) 岩橋被告は25歳ごろから痴漢行為を繰り返していた。逮捕されたのも今回が初めてではない。’22年1月にもJR埼京線内で当時18歳の女性の下半身を触ったとして、強制わいせつの疑いで逮捕されているのだ。この時も線路内に飛び降り、350mほど逃走したところを駅員に取り押さえられ、強制わいせつの罪で懲役1年4ヵ月の実刑判決を受けていた。昨年、出所したばかりだったのだ。 ◆ルートは事前に把握 岩橋被告は10月25日、東京地裁で開かれた初公判で「間違いありません」と起訴事実を認めた。混雑を利用して、女性の体を触ろうと考えていたという。 〈出勤時間帯で混雑している時間を狙って、駅のホームでターゲットになりそうな女の子を探していました。私はAさんの体を触ろうと考え、いっしょに電車に乗り込みました。そして、Aさんに『当たり行為』をしたと思います。『当たり行為』とは、偶然を装って、手の甲でスカートの上から太ももに触れ、その際の女性の反応を確認することをいいます〉(岩橋被告の供述調書より) また、新宿駅のホームから線路内に飛び降り、逃走したことについては、「逃走ルートとしてあらかじめ頭に入っていた」のだという。 〈痴漢を疑われて捕まりそうになったので、線路上を池袋方向に走って逃げ、新宿の大ガード付近から地上に飛び降りました。私は過去にも何度か、痴漢の犯人として捕まりそうになったとき、新宿駅の線路上を走って逃げたことがあるので、線路上には他の人がいないため、逃げやすいことを知っていました〉(岩橋被告の供述調書) 公判のなかで、検察官がAさんとJR新宿駅の責任者の供述調書を読み上げたが、どちらも処罰感情が強いものだった。 〈新宿駅で被告人を捕まえましたが逃げられてしまいました。被告人を絶対に許すことができないので、厳しく処罰してほしい〉(Aさんの供述調書) ◆「あのバカヤロー」 「痴漢をした犯人が新宿駅の線路上に飛び降り、逃げていくという事件によって、駅社員は思わぬ業務や対応を取ることになりました。この事件によって、電車の運休は66本、遅延は124本にのぼります。遅延した電車は最短2分、最長39分となっており、相当な人数のお客様にご迷惑をおかけすることになりました。また、他社に対する振替輸送費も発生している。被告人については厳しく処罰してほしいと思います」(JR東日本の職員) 公判終了後、岩橋被告の20年来の知人だという男性が、出所したあとの様子を明かした。 「知り合ったころはクラブでボーイをしながら、妻子の面倒をみていた。でも、痴漢を繰り返すから、家族にも逃げられて今は独りもんだよ。『まじめに働いてるな』と思っていたら、あいつは痴漢で逮捕されていなくなっちゃう。昨年、出てきた後もちゃんと仕事をして、質素な暮らしをしていたんだよ。部屋には小さなテレビが1台あって、娯楽といえばそれぐらいだったな。 『(痴漢は)これが最後です。これが最後です。ちゃんとします』って言うから、付き合ってきたけど、さすがにもうおしまいだよ。あの病気はもう治んない。出てくるたびに被害者が増えるだけ。拘置所に面会に行って、『おめえとはもう縁切りだ。手紙なんてよこすんじゃねえぞ』って言ってきたよ」 この知人男性は、時折、「あのバカヤローが」と憤りながらも、「まじめに働いてるぶんには、決して悪いやつじゃないんだけどな」と悔しそうな表情もみせた。 被害者や被害者の家族はもちろん、自分の家族や知人まで傷つけてもなお、痴漢行為をやめられなかった岩橋被告。検察官によると、今後、追起訴の予定もあるという。今度こそ、更生してほしいものだが……。 取材・文:中平良
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