「うちの子、ひとりでいることが多いみたいで…」→「〝友だち100人〟はいなくていいんです」【現役教諭がアドバイス】
Q:学校でひとりで過ごすわが子。友だちができないのではと心配です。
娘は学校でひとりでお絵描きしたり、折り紙をしたりして過ごしているようです。 先生によると、友だちが声をかけると一緒に遊んだり、話したりすることもあるとか。 ただ、娘のほうからは友だちと遊ぼうとしないらしく、今後クラスで浮かないか心配です。 先生には友だちとつながりをもてるようにお願いはしています。親として、ほかにどのように見守るのがよいでしょうか。 (ぱんだママ)
A:ひとりが好きな子も。お家で寂しそうにしていなければ大丈夫!
昔は教室でひとりでポツンと過ごしている子を心配する風潮がありました。けれど、今は多様性の時代です。大勢で遊ぶのが好きな子がいる一方で、ひとりで静かに過ごすのが好きな子もいます。 親御さんが1年生の頃は、「友だち100人できるかな」と歌ったかと思いますが、今は積極的に歌いません。友だちが100人いなくてもいいからです。 学校では、いつもひとりで過ごしている子がいたら、先生はまず様子を見ます。そして、この子はひとりでいるのが好きなのだと判断すれば、そのまま見守ります。そうでない場合は、こちらから積極的に声をかけて、友だちの輪に入れるようにすることもあります。つまり、ケースバイケースで対応しているのです。 とはいえ、学校は集団生活を学ぶ場でもあります。ですから、ずっとひとりで過ごすことはなく、グループ活動や授業などでは数人で作業したり、行動したりすることもあります。 娘さんは学校でひとりでいても、お絵描きをしたり、折り紙をしたりして過ごしているのですね。ときには友だちとも会話して、娘さんなりにがんばっている様子もうかがえます。 お母さんは、友だちと積極的に遊ぼうとしない様子を心配されているようですが、本人はひとりで過ごすほうが好きなのかもしれません。家庭での様子はどうでしょう。寂しそうにしていたり、困った様子がなければ心配はないと思います。 そうすると、お母さんができることはひとつだけ。そんな娘さんのがんばりや、学校であったことなどをどんどん引き出して、「楽しかったんだね」などとポジティブな言葉をたくさんかけてほしいのです。 毎日会話をすることで、娘さんの変化にも気づくことができるでしょう。娘さんが心地よいと思っている限りは、何もせず見守ることが大切なのです。 【『小学一年生』2024年11月号別冊『HugKum』】 1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。 【私がお答えしました】 佐々木陽子先生 | 公立小学校教諭 低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。
構成/天辰陽子