『マダム・ウェブ』完全ネタバレ解説 3人の少女はどうやってスーパーヒーローになる?
マダム・ウェブの設定に加えられたアレンジ
コミックでは、マダム・ウェブは高齢女性で盲目で蜘蛛の巣を思わせる特殊な生命維持装置につながっています。また重症筋無力症という病気にかかっています。つまり身動きできず、視力を失っているわけですが、サイキックパワーですべてを見通せる。コミックではこの力でスパイダーマンを助けます。 一方、映画ではキャシーは30代前半の活動的な女性として描かれています。まず、重症筋無力症という設定は、もともとこの病気で生まれてくるリスクがあったが、それを蜘蛛の毒で治そうと母親がペルーの奥地まで行ったと説明されます。さらに、最後のエゼキエルとの戦いで相当なダメージを負い、コミック版に近い姿となります。したがって映画では、コミックの設定をうまくアレンジして取り入れていることがわかります。 ところで、最後にキャシーたちがいる部屋、なんとなくMCUのドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)のサンクタム・サンクトラムっぽくありませんか? おそらくこれからのSSUにおいて、マダム・ウェブをドクター・ストレンジ的ポジションのキャラにしようということではないでしょうか?
今後のSSUとどう繋がる?
この先のSSU、ないし時空を超えてMCUにマダム・ウェブが再登場するか? ですが、SSU作品にはアーロン・テイラー・ジョンソン出演の『クレイヴン・ザ・ハンター』が控えています。 コミックではこのクレイヴンの一族が絡む「グリムハント」という事件(エピソード)でこの4人の女性たちの運命を変える事件が起こります。もしかすると、映画『クレイヴン・ザ・ハンター』でマダム・ウェブたちとの何らかのリンクが出てくるかもしれませんね。 実は筆者は、本作の日本語吹替版の監修を担当しました。最初は台本だけの確認。面白いストーリーだけど少し地味かなと思ったのですが、完成した映画を観てビックリ。テンポがよくアクションも派手。サイキック対サイコパスのサスペンスアクションに仕上がっていて、何よりも4人のスパイダーな女性たちが魅力的です。ぜひご覧ください。なお日本語吹替版では‟ベンおじさん“という言い方がより印象に残るようにアレンジしました。ここもお見逃し(いやお聞き逃し)なく!
杉山すぴ豊