『マダム・ウェブ』完全ネタバレ解説 3人の少女はどうやってスーパーヒーローになる?
キャシーの相棒はあの“おじさん”
本作で注目すべきはキャシー(ダコタ・ジョンソン)の相棒であるベン(アダム・スコット)。フルネームはベン・パーカーであり、もうすぐ弟夫婦に子どもが生まれるので“ベンおじさん”になるわけです。ここまで来るとピンときますよね。そう、スパイダーマンことピーター・パーカーの育ての親は、ベンおじさんでした。 この映画では(ここがポイントですが)、ベンの弟夫婦に生まれる子ども=甥っ子の名前が、さんざんもったいぶっておきながら明らかにされません。おそらく映画の最後のほうに登場するあの赤ちゃんの名前はピーターです。ただ、この作品がスパイダーマンに繋がるかをあえてぼかすため、あの子の名前を明らかにしなかったのだと思います。要は観客の皆さんの想像にお任せします、ということでしょうか? さて、この赤ちゃんのお母さんはメアリー(エマ・ロバーツ)、そして父親(つまりベンの弟)はリチャードであるということは劇中で明らかになりますが、このリチャードは名前が出るだけで登場しません。どうやら世界中を飛び回っている仕事をしているみたいなのですが、実はコミックではピーターの父リチャードはS.H.I.E.L.D.ないしCIAのエージェントだった! という設定が語られたことがあります。これを意識してのことでしょうか? 確かに世界を飛び回っているってスパイっぽいですよね。
もう一人の“おじさん”に注目
“おじさん”絡みでもう一つ興味深いネタが。タクシーで逃げる最中、マティ(セレステ・オコナー)がジョナおじさんに電話すると言います(結果、そのケータイをキャシーに捨てられてしまいますが)。このジョナおじさんは、ジョン・ジョナ・ジェイムソンのことです。そう、コミックではマティは彼の姪なのです。彼女の血のつながったおばが、ジョナの妻にあたります。 コミックなどでは、ジョン・ジョナ・ジェイムソンはスパイダーマンをたたく新聞社デイリー・ビューグルの編集長です。キャシーが乗り込んだ列車の中で、女性が読んでいる新聞等が本紙なので、このバースにはデイリー・ビューグルもジェイムソンもいるわけですね。