エンジンか、それとも電気か?「フォルクスワーゲン」の本音をシェーファーCEOに単独インタビュー
「現在の販売状況をみると、アメリカや中国といった大きな市場では、ティグアンの販売台数がゴルフを抜いているのは事実です。でも、今後もゴルフはフォルクスワーゲンのラインナップの中核であり続けると思います。はっきりしたことは、現時点では言えませんが」 ゴルフは中核モデルのまま、ただしBEVに。つまり、フォルクスワーゲンのBEVシフトは着実に進むということだろう。 ■「GTI」や「R」の次世代は? 「このところピュアEVの販売は、やや停滞しています。ウクライナでの戦争の影響があって電気代が高騰すると同時に、金利も上がって、逆風が吹いていたためです。しかし、金利は下がってきており、状況は持ち直していると思います。私たちは、カーボンニュートラルを目指す企業であり、そのためには製品の電動化がもっとも効率的でしょう」
さらにシェーファーCEOは、「だから、CO2 排出量の少ないモデルを開発する手を休めるつもりはありません。2024年中に発表するゴルフ8.5のプラグインハイブリッド(PHEV)は、モーターだけで最大100km走ります」 ゴルフのポジションは、決してゆるがせにしないつもりだとする。つまり、ゴルフはフォルクスワーゲンにとって、これからも重要なモデルであり続けるということだ。 「ゴルフには、ゴルフGTIやゴルフRといった素晴らしいヘリテージがあります。ただし、これから同じクルマを作っても意味はなく、私たちは新しいGTIや新しいRを生み出さなくてはなりません。これらのクルマを愛してきてくれた人たちに対して、私たちから将来、愛をクルマの形で返したい。それこそが、私の考えるLove Brandのあり方なのです」
【写真】次世代ホットハッチ「ID.GTI」コンセプトのデザインを見る ゴルフ9について具体的なことは語られないけれど、たとえば、間もなく登場するゴルフ8.5でPHEVのEV走行距離を拡充するなどの性能向上は、「ゴルフでなくては」と考えるユーザーのため、ということだろう(日本へのPHEV導入は未定だが)。 さらにもうひとつ、期待の新車がある。2025年に発表が予定されているコンパクトなハッチバック「ID.2 all(アイディーツーオール)」だ。