名古屋ポーカー店店長の自殺は「パワハラと過重労働が原因」と遺族が提訴 店側は「失恋のショック」と反論 遺品には「身の毛もよだつ暴行動画」が残されていた
店側の反論
では、こうした遺族の訴えに店側はどう答えるか。店の運営会社の現社長と役員が取材に応じた。社長らは「ご遺族は誤解をしている」と話す。 「遥樹さんはB子への失恋のショックで混乱してしまい、亡くなったとしか思えないのです。実はこれが理由で店の中では、亡くなる直前まで長きにわたり、様々なトラブルが起きていました。その状況についてAは病院と通夜の場で、ご遺族に言葉を尽くして説明したと話しています。通夜に不謹慎な格好で行ったというのもご遺族の思い違いで、礼を欠かないよう、ちゃんとジャケットを羽織り哀悼の意を持って伺ったと。もちろんお香典もお渡ししております」(社長) そして、誤解が生じた全ての発端は「暴行動画」だと話すのである。 「あの動画はSNSでも拡散され、世間からも大きな批判を浴びました。暴力は絶対にあってはならないことでそのこと自体について申し開きができません。Aも深く反省しております」(同) ただし、手をあげたのにはそれなりのワケがあったと続けるのだ。 「Aは失恋でおかしくなっている遥樹さんに立ち直って欲しいという思いがあってこそ、手を上げてしまったのです。Aは遥樹さんを息子のようにかわいがり、一時は後継にしたいとも考えていました。だからこそ店長を任せていた。そういう人間関係があったから手が出てしまったとも言えるのです。これまでは故人の名誉を害しかねないし、ご遺族の心情も考え、我々の方からの積極的な反論は控えてきました。ただ、法廷にまで持ち込まれ、このような取材を受けるに至った以上、こちらも主張していかねばなりません」(同) そして社長と役員は、遥樹さんが亡くなる直前、B子さんへの恋慕でおかしなっていたことを証明する「証拠」について語り出したのであった。 それは母が中身を見ずにA氏に預けた、店の関係者に向けた3通の遺書だった。遥樹さんはB子さんにも別途、遺書を残していた。後編では遥樹さんが店関係者に残した遺書を元に店側の反論を聞いていく。 後編を読む【〈名古屋ポーカー店店長自殺〉遺族から「パワハラと過重労働が原因」と訴えられた店側の反論「遺書を見ても失恋が原因だったとしか思えません」】