トランプ次期大統領が起用の司法長官に児童買春疑惑 保守強硬派のゲーツ下院議員
共和党のドナルド・トランプ次期米大統領(78)は13日、司法長官に熱烈なトランプ支持者で保守強硬派のマット・ゲーツ下院議員(42)を起用すると発表した。ゲーツ氏は児童買春や違法薬物使用疑惑など多くの醜聞で世間を騒がせてきた人物。昨年には共和党下院議長の解任を主導するなど党内の「嫌われ者」としても知られ、共和党が多数を占める上院での人事承認手続きが難航する可能性もある。 国務長官には同じく保守強硬派のマルコ・ルビオ上院議員(53)の起用を決めた。 13日午後、共和党の会合中に「司法長官にゲーツ氏」との知らせが入ると同党議員から「ショックだ」「人事承認に向けた公聴会を乗り切れるのか」など失望の声が聞かれた。 ゲーツ氏は過去に未成年との性行為などの疑惑について司法当局の捜査を受けた。昨年「証拠不十分」として立件は見送られたが、下院倫理委員会はその後も調査を継続。疑惑が晴れたとは言えない状況だ。また、弁護士出身ながら司法行政に携わった経験がないことも司法長官としての資質を疑問視する理由の一つになっている。 複数の有罪評決を受けたトランプ氏は選挙戦中、自身への捜査などを担当した司法関係者を排除すると繰り返し主張してきた。今回の人事についても「司法省の組織的な腐敗を正し、民主主義や憲法を守る本来の姿に戻してくれるだろう」と語り、忠臣の長官起用で反撃に転じる狙いがあるとみられる。 トランプ氏は13日、ホワイトハウスを訪れ、民主党のジョー・バイデン大統領(81)と会談。来年1月の政権移行を円滑に進めることで合意し、握手を交わした。