iPhoneが“超小型パソコン”に。日本上陸した物理キーボードつきケース「Clicks」の使用感とは?
QWERTY配列のキーボードで数字が省略され、よく使う記号によっては複数キーを組み合わす入力を覚える必要がある。日本語入力はローマ字で行う。iPhoneの日本語入力で標準的なフリック入力を物理キーボード上で行うことはできないが、簡単なキー操作ですぐ画面に表示できる。ビジネスメールや資料作成などで長文打ち込みやコピーペーストをするときは物理キーを使い、LINEやメッセージなど日常的な短文は液晶画面でのフリック入力といった使い分けをしよう。
道具としての使用感なら、これ以上を求めるのが酷なほど優れた製品である。ただし好みがわかれそうな点も幾つかある。まずはケースの大きさ。当然ながらスマホにキーボードを付け足すとかなりの長さになる。服のポケットに気軽に放り込めるサイズではないと感じる人もいるだろう。ここは購入前にしっかりとチェックしておきたい。公式に発表がないものの、重量は60~70gほどのようだ。思ったより軽い印象だったが、スマホ自体は重いため両手でキーボード部分を支えると重心バランスがやや上に偏る。片手で打ち込むのはあまり現実的ではなさそうだ。
発売するイギリスの会社「Clicks Technology」によると、24年1月の世界発売から現在まで8万個以上を売上げ、ユーザーの40%以上が物理キーボードを使用したことがない人だと言う(パソコンでの使用を除く統計と推察される)。日本での販売価格はiPhone 16 Pro用で23,870円で、スマホ本体も含めるとそれなりの合計金額になる。機種変するとこのケースを買い替える必要があることも頭に入れておこう。 試してみた使用感では、iPhoneをモニタつき超小型パソコンへと高める魅力的な製品と感じた。持ち物を軽快にしたい仕事現場で最高に役立ちそうだ。普段はバッグに入れておき、必要なときだけスマホに取り付ける使いわけもできる。見た目はお洒落で機能は本物、そんなこだわりのつくりが大人心を掴むハイセンスなケースだ。
写真・文:一史