【プレビュー】コロナ禍前の2019年以来5年ぶり開催&今季最初のスプリントフォーマットも実施…第5戦中国GP|F1
第5戦中国GP概要
史上初の春開催の日本GPを終えF1は上海へ。コロナ禍で2020年以降中止が続いていた中国GPが、ついに帰ってくる。熱戦の舞台は上海インターナショナルサーキット。一番の特徴は1km超に及ぶロングストレートだが、その他にも様々なコーナーが配置されており、手に汗握るバトルが楽しめるだろう。 日本GPでは再びレッドブルが圧倒的な強さを見せたが、最後に行われた2019年の中国GPを制したのはメルセデスのルイス・ハミルトン。現在の20人のドライバーラインナップのうち前回出場しているのは14人で、角田裕毅らF1での初走行となる複数のドライバーや、初の中国人F1ドライバーであるチョウ・グァンユがどんな走りを見せてくれるのかも楽しみな週末となる。 5年ぶりの開催となる今回は、シーズン初のスプリントフォーマットが採用される。一つのグランプリで獲得できる最大ポイント数が増えるため戦略的にも重要な一戦だが、ドライバーだけでなくチームにとっても圧倒的にデータが少ないうえに、フリー走行が1回しかないという難しい状況が戦況にどう影響するか。不確定要素が多く先の読めない中国GP。勝利をつかむのは誰だ。
中国GPの成り立ち
1990年代、中国政府はF1レースの開催に向けて動き出し、1996年に中国南部、広東省珠海市に珠海国際サーキットを開設した。 1999年には一度F1カレンダーに追加されるも、珠海のトラックはFIAの基準を満たしていなかったことから、レースはキャンセルとなる。 新しいサーキットの開設を模索し、マカオグランプリ主催者のサポートを受ける形で2002年に上海国際サーキットは誕生した。中国GPとしてF1の開催は2004年からとなり、初年度はルーベンス・バリチェロが勝利。翌2005年はフェルナンド・アロンソが制した。だがこの2005年はターン10にある排水溝の蓋が外れ、それを踏んだマクラーレンのファン・パブロ・モントーヤがリタイアに至るという出来事がハイライトとなった。2006年にはミハエル・シューマッハが表彰台の頂点に立つ。7度の王者がF1で勝利した、最後のレースとなっている。 中国GPの開催は2008年まで日本GPの前後に組まれていた。しばらく秋開催だったものの、2009年からは春にお引越しとなる。 そして2011年、上海国際サーキットは各所での地盤沈下という問題も明るみになったが、改修により開催契約は2017年まで延長となった。その一方では中国GP開催について、サーキット建設費が高額だったことから、採算がまったく取れない赤字状態が続いていたとも伝えられていた。開催継続について様々な議論もあったが、2017年9月には開催が2020年まで延長となる。 新型コロナウイルスの世界的流行により、2020年のF1は開幕が7月まで後ろ倒しになる未曾有の状況に。中国GPについても2020年は中止を余儀なくされた。翌2021年もキャンセルとなり、2022年は感染症対策の入国制限がクリアできないことから開催は見送りに。2023年も入国制限が緩和されず、4年連続で中国GPが中止となった。 2024年はついに第5戦中国GPとして、2019年以来5年ぶりの復活となる。2022年からF1で戦っている地元出身チョウ・グァンユの存在もあり、中国国内ではF1への関心がかつてないほど高まっているという。 今季のカレンダー24戦の中で、6戦あるスプリントフォーマットの初戦に選ばれている。路面は全面的に再舗装されており、5年ぶりの開催で60分のFPを消化した後、すぐさまスプリント予選に入る。チームやドライバーにとっては走行データ不足の中で実戦を迎えることになるが、順当な結果になるのか、予想外の結末となるのか、その決着に注目したい。 ************ 【レース情報】 F1 第5戦:中国GP※日本時間 4月19日(金)12:30~フリー走行 4月19日(金)16:30~スプリント予選 4月20日(土)12:00~スプリントレース 4月20日(土)16:00~予選 4月21日(日)16:00~決勝 ************
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