車の買取金額が「査定から42万円減額」…大手中古車買取店で“実際に起こった”トラブル
昨年世間を騒がせた、大手中古車買取業者の一連のトラブルに端を発して、インターネット上やSNSなどで数多のトラブルが報告されました。実は筆者の身内にも同社と取引をした際に似たようなトラブルに巻き込まれた、という事例がありました。この記事でどのようなトラブルだったのか、またどのように解決したのかを綴っていきます。
全てのきっかけは1本の電話からだった
遡ること約3年前のとある日曜日、私の携帯電話に1本の電話がかかってきました。相手は隣の市に住んでいる、幼少期より兄弟のように接していた従兄弟からでした。 電話に出るやいなや、「お兄ちゃん、車を売ったんだけど、そのことで相談したいことがあるんだ……」と神妙な様子。 話を聞いてみると、車の買い替えのために買取店に車を持ち込み、納得のいく金額で契約したのちに車を引き渡したら「修復歴があるので140万円の査定価格から42万円減額する」と言われたとのこと。よくネットなどで見聞きするテンプレートのような内容でした。 従兄弟はもちろん納得がいかない様子で、電話の翌日に実際にその店舗に行って詳しい話を聞きに行くから、ディーラー勤務経験のある私にも同席してほしいとの依頼でした。私はもちろんそれを快諾。車を見せてもらいながら実際に話できるように段取りを取ってもらい、当日を迎えました。
杜撰な査定内容に唖然!
買取店で従兄弟と待ち合わせをし、現地に到着。対応したのは若い営業マンでした。話をする限り「減額は避けられない」の一点張り。とりあえず車を見せてほしいと言って用意してもらい、過去の経験をもとに車の査定をしてみました。すると一発でリアの修復歴がわかりました。 「修復歴ってこれですよね?」と営業マンに問うと「はい、これのことです」と返答。その若い営業マンは明らかな修復歴を見落として「無事故車」として査定をしていたのだそう。従兄弟に事故をしたか聞いたところ、中古で買った時に「無事故車として買ったから嘘はついていない」とのこと。販売した中古車屋は何やってるんだ……と中古車業界の闇を感じつつ交渉を再開。 「明らかな修復歴を見落として契約したのだから、そちらの落ち度ですよね。納得いかないのでそのまま買い取ってください。こちらは消費者センターや弁護士に相談します」と強気に出たところ、上司と相談すると言って30分ほど離席。戻ってきた時には「査定時の買取価格を入金する」との回答を得ることができました。42万円の差額はどのように補填されたか知る由もありませんが、無事に解決した案件でした。
9月と3月は決算期だからこそ気をつけてほしい
今回のケースは車が店舗にまだあったこと、担当した営業マンが素直にミスを認めたことが功を奏し、無事に解決しました。相手が手慣れた営業マンだったら、と思うとゾッとします。車業界にとって9月と3月は決算期のため、売買が盛んに行われます。皆さんも車を売ったり買ったりする際には気をつけていただきたいものです。 <文/宇野 源一> 【宇野 源一】 埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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