ボッシュの「2輪車向けの最新安全運転支援システム」を体験 5年の間に驚くほど進化、バイクはさらに賢くなった!
千鳥走行でも自動追尾してくれる優れもの
2.グループ ライド アシスト(GRA) ツーリングでは千鳥走行といって、同じ車線内を2列で交互にずれて走るフォーメーションが一般的だ。従来のACCでは基本的に前走車1台に対して追尾する機能だったため、千鳥走行では自分の目の前の車両(つまり2つ先の車両)に付いていってしまうことがあった。GRAでは千鳥走行中であることを検知し、車間距離と速度を自動調整してキープしてくれる。試乗では2台のデモ車が前を走り千鳥走行を再現してくれたが、前走車が互いの位置を入れ替えるなどちょっと意地悪な走りをしても、GRAは惑わされることなく適宜追尾してくれた。
前のクルマにだらだら付いていきたいときに楽
3.ライディング ディスタンス アシスト(RDA) これは前走車との適切な車間距離をキープしつつ追突を防ぐ機能。ACCが予め速度を設定するのに対しRDAは通常どおりのスロットル操作で制御する。前走車との距離をライダーが設定すればシステムは必要に応じて自動的に加速を抑えたり、さらにブレーキもかけてくれる。もちろんライダーの意志で、スロットルを大きく捻ればこの機能は無効になり、通常どおり加速することも可能。ツーリングの帰りなど疲れているときにクルマの後ろでだらだら運転せざるを得ない場合などに有効と見た。加速によるオーバートルクでのスピンを抑えるトラコンの逆の発想と言えるかもしれない。
パニック時に思い切りブレーキを握れない人向け
4.エマージェンシー ブレーキ アシスト(EBA) 緊急ブレーキが必要なときに活躍するのがコレ。システムが衝突の危険を検知してもライダーが十分にブレーキをかけていないときに作動し、ブレーキ圧を積極的に上げて可能な限り素早く車両速度を落とす機能だ。 これは緊張した。遥か先で停止しているクルマ(から突き出た安全な目標物)に向かって60/km程度の速度で接近。システムが衝突を感知しメーターに警告後、リアブレーキが「トン、トン」と2度パルスを打つ(軽いABSの感じ)のを合図にブレーキをかけると、瞬時にブレーキ圧を高めてフルブレーキングに使い減速をしてくれる。