熊本市電

　熊本市電で脱線事故や事故につながる恐れのある重大インシデントなどが相次いだことを受け、国土交通省九州運輸局は20日、熊本市交通局に運転士の教育や施設の保守に関する管理体制の見直しを求める改善指示を出した。10月21日までに改善内容を報告するよう求めている。 【写真】永松部長から改善指示の文書を受け取る井芹氏

　熊本市電では1月以降、ドアが開いたまま車両が走行する事案が3件発生し、いずれも重大インシデントに認定された。脱線事故や赤信号を見落としたまま交差点に進入する事案も発生しており、重大インシデントや操作ミスなどのトラブルは今年11件に上る。

　7、8月には保安監査を計6日間実施。▽赤信号を見落として発車した運転士の1人が、信号に対する確認を声に出さずに列車を運転していた▽複数箇所でレールの間の長さや高さが内部規定で定める基準を満たしていない――などが確認された。

　福岡市の九州運輸局で永松靖二鉄道部長が、井芹和哉・熊本市交通事業管理者に改善指示の文書を手交した。井芹氏は報道陣の取材に「真摯に受け止め、熊本市電の信頼回復につながるよう安全安心な運転に努めていきたい」と話した。