整備遅れる馬毛島自衛隊基地、25年4月に作業員ピーク6000人 人手不足響き予定から1年遅れ、防衛省が見通し示す
米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備で、防衛省は20日、2025年4月に工事関係者数がピークの6000人規模に達する見通しを示した。内訳は馬毛島約4000人、種子島約2000人となる見込み。 【写真】〈馬毛島の変化を写真で比べる〉北側上空から見た馬毛島。左は2023年1月12日撮影、右は24年1月8日撮影=いずれも本社チャーター機から
24年9月6日時点の工事関係者は馬毛島の仮設宿舎2290人、種子島の宿泊施設や仮設宿舎など計1910人となっている。仮設宿舎は25年3月末までに約4200室(24年9月比1910室増)を完成させる見込み。 工事は23年1月に本格着工した。最大6000人規模とする工事関係者のピークは当初、24年2月と見込まれていた。防衛省は9月、施設全体の完成時期を当初計画より約3年延期し、30年3月末になると発表。想定より波が高くて資材搬入が進まなかったことや能登半島地震の影響による人手と資機材不足などを理由に挙げた。 防衛省によると、FCLPの運用開始に最低限必要となる施設は、飛行場施設と航空保安施設、管制塔や通信局舎などの飛行場支援施設。工事工程などから逆算すると訓練は28年1月以降になるとみられる。
南日本新聞 | 鹿児島
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