〝農高の甲子園〟閉幕 宮城農高がダブル受賞 プロジェクト発表Ⅰ類・意見発表Ⅰ類
“農業高校の甲子園”と呼ばれ、岩手県で開かれていた第75回日本学校農業クラブ全国大会が24日閉幕した。農業生産や経営への取り組みを競う分野Ⅰ類は、プロジェクト発表で宮城県農業高校が、意見発表では南條匠極さん(同校2年)が最優秀に当たる農水大臣賞に選ばれた。同校はダブル受賞に加え、プロジェクト発表では3年連続の頂点に輝いた。 【画像】来年度の大会委員長に大会旗が引き継がれた 宮城農高は、水稲の肥料削減を目指し、肥効発現が遅いウレアホルム肥料に着目。根張りが改善し食味も向上、肥料費を8割近く削減する成果を収めた。メーカーと商品化に動いている点も評価。代表の阿部快海さん(3年)は「追肥や根の分析が大変だった。みんなで喜びを分かち合いたい」と語った。 父が肉牛肥育を営む南條さんは、資材高を受けて自ら牧草を育てる粗飼料作りに挑戦。水害を乗り越え、繁殖農家への低価格販売を実現したことを語った。「家族に喜びを伝え、経営を支えてゆきたい」と決意を述べた。 日本学校農業クラブ連盟会長の加藤麗奈さん(東京都立農産高校3年)は「日頃の努力、農業クラブ員の絆を感じる大会だった」と振り返った。来年度の第76回全国大会西関東大会は、山梨、東京、神奈川の3都県で開く。
日本農業新聞