「増えるって素晴らしいこと」りくりゅう失意の2位も、後輩の台頭に祝福…ジュニアGPファイナルに進んだ“期待の若手ペア”とは?「体重が5キロ増えました」
筋トレで「5キロ増えました」本田が明かした肉体強化
本田は筋トレなどにも力を入れたのだろうか。そう聞くと、 「シーズンオフは結構しました。(体重は)去年から5キロ増えました。衣装もちょっとちっちゃくなったりとか……」と答えた。 木原もペアに転向してから上半身に筋肉がつき、細身だったシングル時代とは全く違う逞しい体型になっている。カップル競技に転向した男子が通らなくてはならない過程だ。持ち上げられる側の清水は、そんな本田の変化を実感している。 「ツイストももちろんそうですし、リフトの時に(以前は)二人とも揺れてる感じでやってたんですけど……」と笑う。「今年は本当に去年のシーズンと比べても自分が上がりやすかったり、上で自分が(ポジションを)キープしている時に、下が安定しているなと感じて。その上で私がチェンジポジションなど……(やりやすさを)今シーズンすごく感じています」 シングルでは味わえなかった楽しさも、もちろんある。 「今楽しいのはツイストですね。ルーカス君が言ってたように一番難しかった。2ツイストに到達するまですごく長くって、今は高さが出てきて成長を感じています」と清水は口にした。
「(りくりゅうは)完成度やスピード、本当にすごすぎて…」
グルノーブルでは、シニアのトップペアの演技を間近に見ることができたのも大きな刺激になったという。誰がもっとも印象に残ったのだろうか。 「やっぱりりくりゅうの完成度や質の高さ、スピード、本当にすごすぎてって感じ。そこは目指したいところですし、今回出ていたドイツのペアも、投げる時の重力を感じないところが憧れを感じます」と本田は感想を述べた。 木原はかねてから、「もっと多くの日本男子にペアに挑戦してほしい」と口にしていた。その彼とパートナーの三浦の目覚ましい活躍が後輩たちに希望と刺激を与えて、こうして若いペアが育ってきている。木原は「10年前はジュニアのペアがたくさん出てくるということはなかったので、増えることって素晴らしいこと」と感慨深そうに口にした。 清水&本田と同じリンクでもう一組のペア、長岡柚奈&森口澄士もトレーニングをしている。今季からシニアGPシリーズに出場している彼らは、NHK杯7位、フィンランディアGP大会6位と健闘した。ライバルが身近にいることは、お互いのペアにとって大きなメリットに違いない。 2週間後の全日本選手権では彼ら3組が顔を合わせ、さらに柚木心結&トリスティン・テイラーを加えた合計4組が出場する。それぞれがベストな演技を見せてくれることを期待したい。
(「フィギュアスケート、氷上の華」田村明子 = 文)
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