地震や豪雨のダメージも 奥能登・珠洲市の「限界集落」に持続可能な未来を 「現代集落」への挑戦
現代集落主宰・林俊伍さん「きょうはディスカッションと議論をする場で、感情的に話をする場ではないことを僕自身も含めて皆さんと共有しておきたい」 それぞれの思いを胸に副市長との懇談に向かいます。この日提出したのは、65歳以下の住民たちと作った陳情書。 ハザードマップの共有やライフライン復旧への要望、2027年度までの自分たちの取り組みなどをまとめたものです。 30分を予定していた懇談は1時間半に及びました。 現代集落主宰・林俊伍さん「緊急にやってほしいことは伝わったし、動いてもらえそうな感じ。そういう認識でいいんですよね」 ■太陽光発電の提供 「強力な味方」が登場 この日来ていた井下秀晃(いのした・しゅうこう)さんは林さんにとって力強い協力者の一人です。 住めなくなった自宅の太陽光発電の電気を林さんたちに提供しています。 井下秀晃さん「緑は満タンだよってサイン。見てもらえば分かるけど太陽光からは100ボルト来ている。この通り102ボルト、101ボルト、これだけあれば大丈夫」 バッテリーを持って向かったのは現代集落の水源です。 山梨大学が提供するモバイルろ過装置=モバロカは、用水路や沢などから取った濁った水を飲み水や生活用水として安全なレベルに変えられる装置です。 林さんたちは傾斜地からしみ出す水を集めます。太陽光電気のバッテリーでポンプを始動します。 「来た来た来た来た」 さっそく一口飲みます。 モバロカは1日およそ5000リットル処理でき、25人の一日に使う水の量をまかなえます。 井下秀晃さん「嬉しいですよ。生活用水になりますね。実験材料としては豪雨が幸いして、いいのか悪いのか前向きに考えればこういう実験ができて良かった。あと予算取りは林さんのアピール次第」 横浜から駆けつけた仲間は水場まで車で行けるように重機で土砂を取り除きます。 第二の水源をめざすアジトの井戸の泥出しには、宝達志水町から親子のボランティアが駆けつけてくれました。
水の自給ネットワークNPO能登わっしょい!・元谷和則代表「これからの外浦の「あるべき姿」というか、この道しかないんじゃないか。大変な地域だからこそ、取り組もうという気になる。チャンスかなとも思う」 9月の記録的な大雨は真浦町、そして住民の心に大きな傷跡を残しました。そんな今こそ強く踏み出す時と林さんは話します。 現代集落主宰・林俊伍さん「そこは本当にショックですけど、事態をプラスに転じるにはどうしたらいいんだろうって考えて、さらにアクセルを踏むというか進めるという決断してやっている」
北陸放送