猪名川町の中2女子生徒が死亡 捏造ラブレター公開などのいじめ受け転校 町教委が関連を調査へ
兵庫県猪名川町教育委員会は8日、同級生からいじめを受けたとして第三者委員会が調査していた町立中学校2年の女子生徒(14)が死亡したと明らかにした。川西署は自死とみている。女子生徒へのいじめについて町教委は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定し、近く報告書を公表する予定だった。町教委は生徒の死亡といじめに因果関係があったかどうかを調べる。 【写真】神戸大橋から飛び降りか 20~40歳代とみられる男性が死亡 町教委によると、女子生徒は中学1年だった2023年6月、同級生1人が、女子生徒が書いたようにラブレターを捏造し、別の生徒によって100人ほどの前で公開され男子生徒4人に手渡されたという。女子生徒は翌日から登校できなくなり、学校から報告を受けた町教委が同9月、有識者でつくる第三者委を設置した。女子生徒は同10月、別の町立中学に転校した。 第三者委は女子生徒へのいじめ行為として、女子生徒が複数の男子生徒に恋愛感情を抱き、告白するという事実無根のうわさを交流サイト(SNS)などで広められた▽女子生徒の名前で、約30通の偽のラブレターが男子生徒の靴箱に入れられた-という事案を含め、計3件を認定した。 町教委は今年7月に第三者委から調査結果の報告を受け、女子生徒側と加害者側に連絡。報告書の公開時期について調整を進めていたところ、10月21日、女子生徒が川西市内のマンション敷地内で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。 会見に出席した岡本信司町長は「教職員が日々生徒に寄り添い注意していたが、自ら命を絶つという最悪の事態になってしまった。二度とこのような悲しい出来事が起こらないよう努める」と話した。(浮田志保) ◇ ◇ 自殺を思いとどまってもらおうと、公的機関や民間団体が相談窓口を開いている。 兵庫県は、平日昼間は各地域の健康福祉事務所で、夜間や土日祝日は「いのちと心のサポートダイヤル」で電話相談に応じる。 このほか、弁護士や精神保健福祉士が対応する窓口(TEL078・341・9600)では、家庭生活や経済問題など専門的な問題に即応し、心のケアも担う。神戸市が開設する「自殺予防とこころの健康電話相談」(TEL078・371・1855)もある。