ミスマッチを防げ!「中途採用」でSNSを活用するため、企業がとるべき効果的なアクションは?
これらの要因を理解することは、企業が効果的な採用戦略を立てる上で不可欠です。候補者が何を求め、どのような動機で転職を考えているのかを把握することは、SNSで何を伝えるべきか考えるヒントになります。
転職を決意した際の行動とは?
求人情報・転職サイトdodaが提示している「転職活動スケジュール」によると、一般的に、転職には2~3か月の期間がかかるといわれています。SNSと密接に関連してくるのは、「STEP1 事前準備:1.5週間」と「STEP2 書類作成・応募:2週間」の前半です。多くの転職者がここでSNSなどを使って情報収集を行うからです。
興味を持つ業界や企業、仕事内容に関する最新の求人情報を定期的に確認することは、新たなキャリアの可能性を広げるきっかけとなります。この情報収集のプロセスにおいて、SNSは重要な役割を担います。
なお、厚生労働省の調査では、「転職者が転職するにあたってどのような準備活動をしたか?」という質問に対し「産業や職業に関する情報等の収集をした」43%が最多となっています。現職の企業にとってはあまり好ましくない話かもしれませんが、転職者は、在職期間中から積極的に情報収集していることがわかります。
中途採用におけるSNSの役割を再考しよう
こうして転職者の行動の動機や傾向を観察してみると、中途採用におけるSNSの役割が浮き彫りになります。 一般的に、SNSはブランドやサービスの「認知獲得」の手段として優秀であると見なされがちです。確かに、特定の専門職やユニークな商品・サービスを提供する企業、リソースをしっかりと確保できる企業であればこのアプローチは有効です。また、CMなどSNS以外の手段でも認知を獲得できる企業にとっても、SNSは相乗効果をもたらすでしょう。 「認知獲得」を目的としてSNS広告を活用する場面もありますが、経験上成果が成果を上げるケースはやはり専門職や尖った打ち出しができる職種や企業に限られることが多いです。これは、一般的な中小企業がSNSを用いて認知獲得を目指す場合には「非常に創造的なアプローチ」が必要であることを意味します。 中小企業にとってSNSを採用戦略に活用することが無意味であると言いたいわけではありません。むしろ、自社の状況とSNSの特性を理解し、目的と伝え方を適切に合わせていくことがより重要なのです。 SNSは、単に情報を発信するだけでなく、企業文化や職場環境、キャリア成長の機会など、より深い情報を提供するプラットフォームとして機能します。これにより、中小企業でも効果的に適切な人材を引き付け、自社の魅力を伝えることが可能になります。 総じて、中途採用におけるSNSの役割は「興味関心を高める手段」であって、その先に、中途採用で起こってしまいがちなミスマッチの回避があると考えられます。