なぜ東大女子は少ないのか?「逆風」にさらされる彼女らの知られざる本音
「子どもを産み育てるつもりであれば福利厚生がきっちり使える職場のほうがよかった」 「出産までの間にできる限り多くの経験を積む。出張や深夜までの業務も育児前までの方がしやすい」 子どもを持った後の働き方として、それまでのやり方では通用せず、育児との両立に悩んだという声も多く聞かれた。そうした経験をふまえ、早めのキャリア形成、早めのチャレンジをアドバイスしている人も多かった。 「いくつになっても学びなおしやキャリアを積みなおすことはできるとは思いますが、20代は体力気力があるから、無理しながらでも思いっきり働きたい人は思いっきり働いてみたらいいのではないかなと思います」
「子どもが産まれてからはどうしてもセーブがかかってしまうから、セーブしながらでも必要とされる人材になれるように、それまでに経験できることはたくさんして能力を高めておいた方がいい」 育児が始まる前に仕事での経験をできるだけつけておく、全力でがんばるのがいい、という声は多く聞かれた。 他方で、やはり大企業で働いている人からは、福利厚生(産休・育休制度、在宅勤務やフレックス勤務制度)が充実していることから、就職先としては安心感があるとの声も。
「最初のキャリアは大企業で始めた方が「育ててもらえる」ので安心だと思います」 「福利厚生は大事。となると結局、大企業が強いのかな…」 また、大企業だとさまざまな職種があるため社内転職しやすく、柔軟な人材配置によってライフスタイルの変化に応じた働き方の変化をつけやすいといった点をあげる人もいた。さらには、海外勤務を通じて経験値を積むことができる、価値観が広がったといった声も多くあげられていた。 「少なくとも日本国内で通用する社会人としての基礎を学べる環境、加えて社費留学の機会に恵まれた」
「海外勤務を2回できたのでそのような機会も含めて考えるのは良いと思います。子どもに海外経験をさせられるのはかけがえのない機会です」 さらに学生時代にやっておけばよかったことの中に、専門性を磨くことや英語の勉強をあげる人もいた。 職業選択も多様化する時代だが、まだまだ女性が働きやすいとはいえない中、結果的に東大卒女性たちが「大企業頼み」になっている様子がうかがえる。 結婚出産に際して仕事をやめるか否かの二択ではなく、育休制度や職種を変えながらも仕事を続けていく。そして専門性を身につけて独立や次のステップへと繋げていくという考えを、多くの東大卒女性がもっていた。