【小倉競輪(ナイター)FⅠ】岩谷拓磨 特別インタビュー「師匠の冠レースはGIと同じ」/7月5日開幕
最高にうれしかった昨年大会V
――昨年は、師匠の冠レースであるこの大会で優勝を挙げました。 「自分が優勝しただけでなく、小川さんが2着、園田さんが3着。これ以上ない結末でした。自分たちにとって師匠の冠レースはGIと同等。デビューして、間違いなく一番うれしい瞬間でした。風を切ってくれた金ケ江勇気さんや市橋司優人さん、後ろを固めてもらった先輩方と、ラインの助けがあっての優勝で、感謝感激でしたね」 ――それから1年間は優勝がありませんが、気になりますか。 「そうですね。なかなか自転車の感じが良くならない時期が長かったです。新車を自分のものにできませんでした。それで成績が伸び悩んだ感じです」 ――ただ、5月下旬から6月上旬にかけて、FIで2連続の決勝進出。ともに決勝の確定板に載りました。 「その5月下旬の向日町FIから、以前の走り慣れたフレームに戻しました。昨年のこの大会で優勝したときに乗っていたものです。やはり自分に合ったフレームですね。でもそれで2回落車してしまったので、『傷んでいるから新しいフレームにしないと』という気持ちもあって、新車に乗り始めたんです。いろいろとセッティングを試したけど、どうしても新しいフレームではしっくりこなくて。それで以前のものに戻したんです。するとすぐに結果に表れました。乗り慣れた安心感もあります」 ――6月の大宮FIは惜しくも決勝2着。 「決勝では、前を走ってくれた青柳靖起君を残そうとして、後ろの田中誠さんに差されました。ラインで決まったとはいえ、あれは優勝しないといけなかったレースでした。青柳君と横の間隔を空けながら追い込んでしまって、2人の間を田中さんに突き抜けられての2着。失敗ですが、すごく勉強になりました」
兄弟子・小川勇介とは以心伝心
――今年の吉岡稔真カップの小倉組は、S級1班だと小川さんと2人だけです。 「その分、昨年以上にしっかりしないと。でもS級2班には市橋さんと松尾信太郎さんがいますし、みんなで勝ち上がっていきたいですね。それに、小川さんとは誰よりも連係が多いはず。昨年はレースで何十回も一緒に走りました。なのでお互いやることが分かっているというか、安心できます。2人で決まることも多いです」 ――吉岡さんは病気で療養中と聞きます。病床に届く走りを見せたいですね。 「僕たち弟子にも師匠の詳しい状況は伝わってこなくて、よく分からないんですよ。でも自分たちができるのは、準備を整え、強い気持ちで走り抜くことだけ。師匠への感謝の気持ちをパワーに変えて戦います。もちろん優勝したいけれど、小倉の誰かが優勝できればという気持ちです。ホームバンクのあの熱い声援にまた応えられるよう、全力で頑張ります」 6月の久留米記念でも連係した岩谷拓磨(赤3)と小川勇介(紫9)