しなやかに進化したミニの「エースマン」 多くの人が求めるピュアEV
なめらかな加速感と細部まで凝ったインテリア
今回発売されたエースマンは2モデル。「エースマンSE」は54.2kWhの容量をもつバッテリーを搭載し、最高出力160kW、最大トルク330Nm。一充電走行距離は414km(WLTC)だ。もう1台は「エースマンE」。42.5kWhのバッテリーで、327km走る。最高出力は135kW、最大トルクは290Nm。 私がコペンハーゲンで乗ったのは、エースマンSEだ。はたして、ドライブした感覚は、なめらかな加速感と、よく動くサスペンションのおかげで快適。以前のミニは足回りが硬めだったけれど、エースマンはしなやかな印象で好ましい。 BEVはその気になれば、発進時からどんっと大きなトルクを感じさせることも出来るけれど(数年前にはそういうモデルが多かった)、エースマンはスムーズ。エンジン車とは違う感覚で、市街地でも遠乗りでも、しっかりこなしてくれる印象だ。 もうひとつ、私が好きなのは、インテリアデザイン。リサイクルしたポリエステルを使った一種のニットで、スニーカーの素材からヒントを得たという。 私が乗った車両では運転席まわりのブルーから、助手席のレッドまで色の切り返しとなっていて、じつにシャレている。最新のマクラーレンW1というスーパースポーツカーも同様の内装素材で、ミニが先鞭をつけたかたちだ。 【スペックス】 Mini Aceman SE 全長×全幅×全高=4080×1755×1515mm ホイールベース:2605mm 電気モーター 前輪駆動 最高出力160kW 最大トルク:330Nm 駆動用バッテリー容量:54.2kWh 一充電走行距離:414km(WLTC) 価格:556万円 https://www.mini.jp/ 写真提供=Mini ■著者プロフィール 小川フミオ モータージャーナリスト クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。
朝日新聞社