寒さを我慢せずに暖房費を抑える冬の省エネ「三原則」!“断熱・循環・加湿”のポイントを節約アドバイザーに聞いた
「循環」と「加湿」も重要!
「2番目に大切なことは空気を循環させ、上下の寒暖差を解決することです」 重たい冷気は足元に溜まり、暖かい空気は天井付近に留まりやすい。そこで活躍するのがサーキュレーターだ。 「夏場、エアコンの涼しい風を循環させるためにサーキュレーターを使っている方もいると思いますが、実は冬も空気の循環が重要」 サーキュレーターを天井に向けて動かすことで空気が巡り、効率よく部屋を暖かくすることができる。 「3番目のポイントは『湿度』です。乾燥すると体感温度が下がるので、加湿器を使ったり洗濯物を部屋に干したりして湿度を上げることで、設定温度が低くても快適に過ごしやすくなり、省エネにつながります」 特にエアコンを使用していると部屋が乾燥しやすくなるという意味でも、加湿は重要だ。 ただし、加湿しすぎると結露やカビが発生するため、部屋に湿度計を置き、湿度40~60%を目指すといいとのこと。
間違った節電に注意!
和田さんは、「冬の光熱費節約は、効率のいい順番を理解して行うことが大切」としたうえで、「イメージだけで節約をすると間違いやすい」と注意を促す。 「『エアコンは大量の温風で部屋全体を暖めるから電気代がかかりそう』『セラミックファンヒーターならピンポイントで暖まるから節約になる』というイメージがあるかもしれませんが、実はセラミックファンヒーターのほうが電気代は高くなりやすいのです」 大切なのは「適材適所」。家族が集まるリビングはエアコンで部屋全体を暖め、トイレや脱衣所は使うときだけセラミックファンヒーターで暖めるといったように分けると効率的で、節約にもつながる。 「ちなみに、エコなイメージのある湯たんぽも、実はけっこうエネルギーを使っています。湯たんぽ自体は電気を使いませんが、お湯を沸かす際に電気代やガス代がかかるからです。1リットルのお湯を沸かすよりも、電気あんかを24時間つけっぱなしにしたほうが光熱費を抑えられますよ」 光熱費は気になるものの、暖房を使わないわけにもいかない冬。部屋の保温性を高めて、効率的に暖房を活用しよう。 和田由貴 消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。また、環境カウンセラーや省エネ・脱炭素エキスパートでもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。 取材・文=有竹亮介
プライムオンライン特集班