卵を毎日食べるのはヘルシー? 卵の食べ方が健康に与える影響
毎日卵を食べるのはヘルシー?
卵黄のコレステロール値に関する警告を聞いたことがある人は多いはず。健康志向の人のなかには、そのせいで卵黄をまったく食べなくなった人もいる。しかし卵白オムレツを注文する前に、事実を確認してみよう。卵黄がコレステロール値に与える影響は、かつて信じられていたほど怖いものではないという。 ペトルッチ博士は、コレステロールに関する主張は時代遅れの迷信として否定している。「結論から言うと、卵はコレステロールに大きな影響を与えないことが分かっています。卵がコレステロールを変化させる場合、むしろ良い方向に変化させることが研究で示唆されています」と彼女は話す。 ハーバード大学医学部の専門家も、この意見に同意している。人体のコレステロール値は、食べ物に含まれるコレステロールの影響を受けないことが、最近の研究で判明している。代わりに、体内のコレステロールは、おもに食事に含まれる飽和脂肪酸とトランス脂肪酸によって、私たち自身の肝臓で作られている。さらに、卵100gに含まれる飽和脂肪酸はわずか3.12gで、警鐘を鳴らすほどの量ではない。
したがって、卵を毎日食べることで起こりうる健康リスクを心配する必要はあまりないそう。ただし、どのように食べているかを評価する価値はある。ベーコンやソーセージなど、ナトリウムや飽和脂肪酸を多く含む朝食用の加工肉と卵を組み合わせると、健康上のリスクを引き起こす可能性がある。 たしかに、このような食品が心臓病やそのほかの健康問題のリスクを高める恐れがあるいっぽうで、これらのリスクは潜在的な有害成分を大量かつ継続的に摂取した場合の話であることにも注意が必要だ。完全にベーコンを断つべきなわけではなく、食べる量と頻度に気を付けるのがおすすめ。 ペトルッチ博士は、料理の際に使用する脂肪も卵の全体的な栄養に影響を与える可能性があると指摘する。彼女は、放牧場で牧草を食べて育った牛のバターや、牧草で育てられたオーガニックのギーなど、高温に耐えられる高品質の脂肪を使用するよう推奨している。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images