米国株式市場=続落、FRBのタカ派的発言とトランプ人事受け
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。S&P総合500種とナスダック総合は、1日としてはここ2週間で最大の下げを記録した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げペースの鈍化を示唆したほか、トランプ次期米大統領による閣僚人事に反応した。 パウエルFRB議長は14日、経済情勢は「極めて良好」で労働市場の状況は底堅いとし、FRBは利下げを急ぐ必要はないという見解を示した。 CMEのフェドウオッチによると、市場ではFRBが12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置くとの見方が強まり、その確率は約42%。1カ月前時点では約14%だった。2025年の利下げ期待も後退した。 米商務省がこの日発表した10月の小売売上高(季節調整済み)が前月比0.4%増加したことも、この見方を強める材料となった。 ボーン・ネルソン(ヒューストン)の副最高投資責任者(CIO)アダム・リッチ氏は「ここ48時間で、大統領選だけでなく、予想を上回る経済指標や、パウエル議長のタカ派的発言など、かなり大きな変化があった」とし「市場の利下げ期待は大幅に後退しているほか、市場は大統領選へのかなり強気な反応を受けて再調整に入っている」と述べた。 週足ではS&Pが2.08%、ナスダックが3.15%、ダウ工業株30種が1.24%、それぞれ下落した。 ラッセル2000指数は1.4%安。4営業日続落となった。 情報技術は2.5%安。S&P総合500種の11セクターの中で下げが一番きつかった。 半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズは9.2%安。第1・四半期(2024年11月─25年1月)の売上高が市場予想に届かないとの見通しを示したことが売り材料視された。 フィラデルフィアSE半導体株指数(SOX指数)は3.4%安となった。 製薬大手モデルナは7.3%、ファイザーは4.7%それぞれ下落。これが重しとなり、ヘルスケアは1.88%安となった。 トランプ氏は14日、新政権の厚生長官にワクチン懐疑派として知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表した。 主要消費財も0.8%安。飲料メーカーのモンスター・ビバレッジが7%、北米最大のフライドポテトメーカー、ラム・ウェストンが6%、米大手飲料メーカー、キューリグ・ドクター・ペッパーが5%それぞれ下げた。 株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は取引終盤で16.14。序盤には、5日の大統領選以来の高水準となる17.55を付けた。 ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.89対1の比率で上回った。ナスダックでも2.51対1で値下がり銘柄数が多かった。 米取引所の合算出来高は154億7000万株。直近20営業日の平均は139億4000万株。 終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード ダウ工業株30種 43444.99 -305.87 -0.70 43587.93 43647.53 43350.43 前営業日終値 43750.86 ナスダック総合 18680.12 -427.53 -2.24 18929.92 18936.75 18598.87 前営業日終値 19107.65 S&P総合500種 5870.62 -78.55 -1.32 5912.79 5915.32 5853.01 前営業日終値 5949.17 ダウ輸送株20種 17227.87 -195.25 -1.12 ダウ公共株15種 1033.82 +17.34 +1.71 フィラデルフィア半導体 4833.59 -171.00 -3.42 VIX指数 16.14 +1.83 +12.79 S&P一般消費財 1721.70 -23.78 -1.36 S&P素材 573.77 -4.55 -0.79 S&P工業 1174.44 -7.11 -0.60 S&P主要消費財 860.88 -7.19 -0.83 S&P金融 828.75 +4.39 +0.53 S&P不動産 269.25 +0.44 +0.16 S&Pエネルギー 722.04 -2.45 -0.34 S&Pヘルスケア 1651.81 -31.69 -1.88 S&P通信サービス 324.93 -6.12 -1.85 S&P情報技術 4478.00 -114.25 -2.49 S&P公益事業 401.46 +5.80 +1.47 NYSE出来高 12.02億株 シカゴ日経先物12月限 ドル建て 38040 - 630 大阪比 シカゴ日経先物12月限 円建て 38015 - 655 大阪比