フランス主流派、極右の絶対多数阻止に奔走-候補調整期限迫る
RNが絶対多数を占めれば、バルデラ氏が首相に指名され、同党は法案を容易に可決できるようになる。歴史的に、仏政界主流派は、極右を政権から締め出すために結束してきた。
RNとその同盟勢力が過半数を占めるには、289議席が必要となる。極右勢力の候補は577選挙区中485選挙区で勝利または決選投票に進出した。仏ラジオ局フランス・アンフォによると、極右勢力の候補者はこのうち297の選挙区で、得票率1位または当選を決めた。
TF1に出演した新人民戦線のリーダー、ラファエル・グリュックスマン氏は、党派を超えた政権を支持するかどうかについては明言を避けた。ただ、アタル氏の呼びかけには賛同し、RNの絶対多数獲得阻止に向け全力を尽くすよう有権者と政治家に求めた。グリュックスマン氏は今回の選挙を、フランス人が極右政権を望むかどうかの「国民投票」だと表現した。
TF1は、極右勢力への合流をめぐって分裂している中道右派・共和党のグザビエ・ベルトラン氏にもインタビューした。ベルトラン氏は極右との取引に反対を繰り返す一方、マクロン、アタル両氏への支持も固辞している。
マクロン氏の与党「再生(RE)」は、「共和国の価値観」を尊重する政党が極右勢力に勝利するのを支援するため、第1回で3位だった候補者の立候補を取り下げるとしている。ただ、新人民戦線連合の一角である急進左派「不屈のフランス」は、欧州連合(EU)の予算規則を無視するような支出を提案しており、投資家を不安に陥れる可能性がある。
このため、極左が有利になるような選挙区で与党勢力の候補が撤退するかはわからない。アタル氏は1日、ケースバイケースで検討すると述べた。
ルメール仏経済・財務相は2日、仏紙フィガロとのインタビューで、極左政党である不屈のフランスを支持しないとあらためて表明。「不屈のフランスの価値観でRNと闘うことはしない」と述べた。
ルペン氏は2日のラジオインタビューで、われわれの「政権は完全で、有能なものになるだろう」と述べた。「政権はRNの人々、第1ラウンドの選挙戦に私たちとともに参加した人々で構成されるだろう」と語った。