宝塚記念は、直近2年の勝ち馬と似た血統の4歳馬とレースとの相性がいい血筋の7歳馬に期待
今年はGⅡ中山記念(中山・芝1800m)4着、GⅠ大阪杯(阪神・芝2000m)7着といい結果は出ていないが、中山記念はハイペースに戸惑い、大阪杯もいつもより早めの競馬が合わなかったようだ。勝った皐月賞は、4コーナー17番手からの鮮やかな追い込み勝ちであり、この馬の真骨頂は差し脚にある。展開に左右される面はあるが、ハマれば突き抜ける破壊力の持ち主だ。今週末は雨模様の予想もあり、重馬場で快勝した皐月賞の再現も期待できる。 もう1頭は、ヒートオンビート(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)を推す。 この馬のポイントは祖母の父マルジュで、同馬は2017年の勝ち馬サトノクラウンの父。また、マルジュの父ラストタイクーンの父系からは、2001年の勝ち馬メイショウドトウ(父ビッグストーン)も出ていて、この血筋は宝塚記念と好相性だ。ヒートオンビートはこのラストタイクーンの血を3×4でクロスしている。 父キングカメハメハの産駒は2015年ラブリーデイ、2018年ミッキーロケットと宝塚記念で2勝。2022年の勝ち馬タイトルホルダーの父、ドゥラメンテもキングカメハメハ産駒なので、父系も好相性と言える。ヒートオンビート自身、母マルセリーナがGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)馬という良血馬だ。 ヒートオンビートは昨年、芝2500mのGⅡ目黒記念(東京)を勝っているが、芝2000mでもGⅢ七夕賞(福島)など重賞で2度の2着があるように、幅広い距離で実績がある。芝2200mは中京の準オープン、京都の2勝クラスで勝利しており、距離、コースともに相性のよさを見せている。7歳となり近走は冴えないが、激走の可能性は十分だ。 以上、今年の宝塚記念はキタサンブラック産駒ソールオリエンス、キングカメハメハ産駒ヒートオンビートに期待する。
平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki