「森喜朗氏も背後で…」石破茂首相誕生に自民党総裁選が意味する「安倍・麻生政治」の終焉
自民党総裁選、最大の敗者は――。 9月27日に行われた自民党総裁選で石破茂氏が高市早苗氏との決選投票を制し、自民党新総裁となった。 【5万円以上の寄付を…】進次郎氏が後援会へ送りつけた「おねだり」文書を独自入手! 史上最多9人の候補者が乱立する大混戦。序盤こそ小泉進次郎氏が知名度を生かしリードしたが、討論会を重ねるごとに失速。代わりに高市氏が急伸したが、最後は石破氏が215票―194票で逆転した。 総裁選候補者は石破氏、高市氏、進次郎氏のほか、林芳正氏、小林鷹之氏、茂木敏充氏、上川陽子氏、河野太郎氏、加藤勝信氏(得票数順)。 ◆議員票16票の加藤勝信氏は財務大臣に 舞台裏では“一寸先は闇”の永田町らしく、ドロドロとした駆け引きが繰り広げられていた。真っ先に憐れみの目で見られたのが、最下位だった加藤氏だ。 1回目の投票で議員票16、党員票6。議員票が推薦人20人を下回った。 「つまり4人が他陣営に寝返ったということ。会場はどよめきました」 とはスポーツ紙政治担当記者だ。だが、新内閣では財務大臣に起用予定と報じられており、しっかりとポストは確保した。 3年前の総裁選で岸田首相と決選投票を争った河野太郎氏も散々な結果に終わった。 党内最大派閥を率いる麻生太郎氏がバックアップを表明したものの、のちに高市氏に“鞍替え”。26日夜、産経新聞が 『<独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ 麻生派議員にも指示 1回目から』 と報じた。 これに河野氏は27日午前の会見で怒り爆発。産経新聞の報道に 「そんなことは全く、私、聞いておりませんし、麻生副総裁は、きょうの私の決起集会にも出席予定と聞いております」 と猛抗議。 ◆河野太郎氏を親分・麻生氏が見限った 「結局、候補者がどれだけ政策を訴えても政局ばかりが優先され、しかも、こういう“飛ばし記事”があたかも事実であるかのごとく流されるのは、極めて残念」 などと不満をブチ撒けたが、フタを開ければ1回目投票で議員票22、党員票8の不人気ぶりでまさかの“ブービー”となってしまった。 「河野さんには同情を禁じ得ませんが、マイナ保険証のドタバタぶりや批判的なSNS投稿を受け付けない“ブロック太郎”のマイナスイメージが影響したのだと思います。それにしても3年前の総裁選では“次期首相候補”と目されていたのに……。正直、河野さんの総理の目は完全になくなったと言っていいと思います」(与党関係者) 石破政権での起用はなさそうで、冷や飯を食わされそう。ある意味、最下位の加藤氏よりも党内では厳しい立場と言っていいだろう。 それでも、“今回の総裁選の最大の敗者は?”と問われれば、それは長年続いていた「安倍・麻生」政治にほかならないだろう。 「故安倍首相の在職日数は3188日で歴代最長。その間、安倍元首相を支えていたのが麻生太郎副総裁でした。今回、麻生氏は子分の河野氏を見限り、高市氏に乗り換えましたが、目論見はもろくも崩れ去りました。安倍元首相という大きな歯車を失い、バランスを崩した自民党はその後、旧統一教会問題、裏金問題などが次々露見していきました。決選投票に残ったのは旧安倍派から支持を受ける高市氏。今度の総裁選は“安倍・麻生政治”の終焉を見ているかのようでした」 そう語るのは永田町取材歴40年のベテラン記者だ。一説には 「“元祖キングメーカー”の森喜朗元首相も進次郎氏から高市氏に鞍替えし、息のかかった議員に支持を呼び掛けていた」(同・ベテラン記者) という。 解散総選挙は年内にも行われる可能性が高い。石破氏は“政治とカネ”で失墜した信用を取り戻すべく、裏金議員には厳しい姿勢で臨む見込み。 「選挙の公認・非公認を決めるのは自民党総裁の専任事項。裏金議員は今からビクビクしているでしょうね」 とは永田町関係者。国民は果たしてどうジャッジするか――。
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