JGTOの地位低下など多くの障害乗り越え…早大3年・中野麟太朗に全米アマ切符! 決定直後に喜びの声聞く
4月から90位前後にはいたものの立場は非常に不安定
ゴルフ界では、日本でも世界でも、6月の全米オープン、7月の全英オープンの出場資格を誰が獲得したか、何人が出場者リスト入りしているかが話題になっている。 【動画】レジェンドも期待!? “ジャンボ邸”で練習する中野麟太朗の豪快スイング
そんな中、日本のアマチュア選手も奮闘している。 昨年の日本アマ覇者、20歳の中野麟太朗(早稲田大学3年)が5月22日付けの世界アマチュアゴルフランキング(WAGR)で92位となり、上位100位以内に与えられる今年の全米アマチュア選手権(8月12~18日、ミネソタ州・ヘーゼルティンナショナルGC)の出場資格を獲得した。 中野選手は、この時点でトップ100入りすることは「なかなか難しい」と以前から厳しい見方をしており、「トップ100を逃したら、潔く最終予選から挑戦します」と覚悟を決めていた。そして、そのための準備にも取り掛かり、最終予選にはすでにエントリー済みだが、晴れて100位以内に食い込んだことで、そうした準備は、いい意味で「無用」になった。 昨年の日本アマチュア選手権で優勝した中野選手は、日本学生2位、関東学生でも4位タイと大健闘。プロの世界にも積極的に挑み、推薦で出場したJGTO(日本ゴルフツアー機構)の大会では、2023年のフジサンケイクラシック15位タイ、バンテリン東海クラシック18位タイ、24年開幕戦の東建ホームメイトカップでは首位発進して大会を沸かせ、最終成績は4位タイの大活躍だった。 しかし、それほど奮闘したにもかかわらず、世界アマチュアランキングの大幅アップにはつながらず、トップ100入りは依然として厳しい状況にあった。 というのも、プロの世界の指標である世界ランキングにおけるJGTOの大会の位置づけ(ポイント配分)が22年8月にほぼ半減されたことに伴い、アマチュア選手がJGTOの大会に出場した際に得られる世界アマチュアランキングのポイントも連動して半減されてしまうという思わぬ影響を受けてしまった。 それでも中野選手は少しでもランクアップにつなげることを目指し、今年の春にはニュージーランドで自主合宿を行ない、現地でニュージーランドオープンのマンデー予選に挑戦。大人のプロたちを押しのけて、たった1枠しかない出場資格を見事に獲得し、本戦への自力出場を果たした。 PGAツアーのソニーオープンやJGTOとDPワールドツアーの共催大会であるISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!にも推薦で出場するなど「チャンスがあれば挑みたい」と、前向きに積極的に取り組んできた。 だが、さまざまな要因が重なって、中野選手の努力や奮闘は世界アマチュアランキング上では、なかなか報われず、今年4月以降は90位前後を微動していた。その位置は、米国内で開催されるアマチュアや学生のビッグ大会の結果次第では、トップ100圏外に押し出される可能性がある不安定なポジションだった。