JGTOの地位低下など多くの障害乗り越え…早大3年・中野麟太朗に全米アマ切符! 決定直後に喜びの声聞く
「最終予選からになったとしても必ず通過してやると思っていた」
ちょうどそのころ、全米アマを主催するUSGA(全米ゴルフ協会)から中野選手へレターが届いた。その内容は「地区予選は免除されます」「最終予選から挑戦する意思があるならエントリーしてください」というものだった。 それは、ある意味、5月22日時点で世界アマチュアランキングがトップ100圏外となることが前提とされている内容のレターだったが、「トップ100入りが叶わなかったら、最終予選からチャレンジして全米アマに出る」と心に決めていた中野選手は、早々に最終予選へのエントリーを済ませ、覚悟を決めた上で、5月22日の「運命の日」を待っていた。 そして、結果は92位。トップ100入りを果たし、全米アマの舞台に立てることが決まった。 さっそく中野選手の喜びの声を聞いた。 「今日は100位以内に入れるかどうかが決まる1日で、結果的に全米アマに出場できることが決まりましたが、心は落ち着いていました。(なぜなら)もしも最終予選からになったとしても、必ず通過して本戦に出場してやると思っていたからです。全米オープンと同じぐらいハードなセッティング、そして世界のトップレベルのアマチュアと戦えることにワクワクしています。試合が始まるのが楽しみです。全力を尽くします。出場決定、最高です!」 全米アマは、かつてタイガー・ウッズが3連覇(1994年~1996年)を果たし、世界中のゴルフファンを沸かせた大会だ。米国のアマチュアゴルファーのナショナルチャンピオンを選び出す権威ある大会だが、近年は世界各国から挑戦者が押し寄せ、世界のアマチュアゴルファーの頂点に輝く大会と化している。 その舞台に果敢に挑む日本の中野麟太朗の健闘を祈りたい。 文・舩越園子 ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
舩越園子(ゴルフジャーナリスト)