RX-9にホンダ・ゼロ タイプRの可能性も? DB12と考えたスポーツカーの未来
再び海外に目を戻すと、超高級車ブランドでスポーティなSUVのトレンドが広がった。 スポーツSUVの発端は2002年に登場したポルシェ「カイエン」だが、2010年代に入るとベントレー「ベンテイガ」誕生をきっかけに、ロールス・ロイス「カリナン」、ランボルギーニ「ウルス」、アストンマーティン「DBX」、そしてフェラーリ「プロサングエ」という流れを生む。 そのほか、マクラーレンやアストンマーティンなどでは、F1(フォーミュラ1世界選手権)参戦チーム(ブランド)による、次世代スポーツカーの開発も進んだ。
別の視点では、旧車やネオクラシック、あるいはヤングタイマーと呼ばれる少し古い日本製スポーツカーの高付加価値化がある。海外では、コレクタブルと呼ばれる領域だ。 中でも、ワイルドスピード初期を回顧するような1990~2000年代のトレンドがアメリカを中心にあり、R32、R33、R34の歴代スカイラインGT-Rや三菱「ランサーエボリューション」シリーズ、スバル「インプレッサWRX STI」などの海外流出が進んだ。今も、こうした車種の中古車が高額となっているのは、その影響である。
■RX-9ほか「日本のスポーツカー」のこれから 最後に、日系スポーツカー(スポーティモデル)での注目点をいくつか挙げたい。 まず、自動車メディア各社が報じている、トヨタGRによる各種新型モデルだ。ハイブリッドやプラグインハイブリッド、さらにEVによって、GRブランドの価値を次のステージに引き上げる可能性が考えられる。 次にマツダの、いわゆる「RX-9」だ。 デザインのイメージは、コンセプトモデル「ICONIC SP (アイコニック エスピー)」。パワーユニットは、「MX-30 R-EV」で量産化した新型ロータリーエンジン「8C」を2基使う、ツインローターを発電機とするEVを想定する。
マツダ社内では、2024年2月にRE(ロータリーエンジン)開発グループを再結成したことに加えて、電動化事業本部(通称e-MAZDA)を300人体制(11月時点)で整えている。 直近でマツダ幹部らと意見交換する中で、ICONIC SPをイメージした次世代スポーツカー量産の可能性を否定する声は少ない。現実となる可能性が期待できそうだ。 ■スポーツカーはシンボルであり続ける ホンダの次世代EV「ゼロシリーズ」でも、いわゆる「タイプR」の設定に期待がかかる。三部敏宏社長は、常々「EVの特性を考えればスポーティなハイパフォーマンスモデルの設定はありうる」と主張してきた。