RX-9にホンダ・ゼロ タイプRの可能性も? DB12と考えたスポーツカーの未来
現在のスーパー耐久では、プライベーターにとっては各種クラスでのベストフィニッシュ、自動車メーカーチームは、カーボンニュートラルに向けた次世代技術の量産化が目的だ。 そうした光景を見ながら、「スポーツカーとは何か?」を考えた。 ■スポーツカーの歴史を振り返る そもそも、スポーツカーに定義はない。時代を振り返ってみると、高度経済成長期だった1960~1970年代は、4ドアのセダンがファミリーユース、2ドアのクーペがスポーティな若者向けとされていたため、一般的にクーペがスポーツカーと呼ばれた。
そうした中で、トヨタ「2000GT」、マツダ「コスモスポーツ」、そして日産「スカイラインGT-R」など、少量生産で高付加価値のスポーツカーも登場する。 自動車メーカー各社は、新車販売のセールスプロモーションと技術開発のために、自動車レース(モータースポーツ)を積極的に活用し、スポーツカーは若者にとって憧れの存在となっていく。スポーツカーは、企業イメージの象徴であった。 海外に目を向けると、ヨーロッパではポルシェがスポーツカーの筆頭に。アメリカでは、大排気量のV型8気筒エンジンを搭載するフォード「マスタング」や、GM(ゼネラル・モーターズ)のシボレー「カマロ」などが人気となる。
しかし、1970年代の排ガス規制の影響で失速。そこへ、日産フェアレディZ(S30)が登場し、コスパとデザインの良さで一気にシェアを伸ばした。 一方、イタリアではカロッツェリアと呼ばれる、自動車のデザインと少量生産を大手メーカーから請け負う企業が、ランボルギーニ「カウンタック」など前衛的デザインのさまざまなスポーティカーを世に送り出す。こうしたクルマを日本では、漫画作品の影響もあり「スーパーカー」と呼んだ。
1980年代になると、トヨタ「ソアラ」に代表されるような高級志向の2ドア車が登場し、これが「スペシャリティカー」と呼ばれるようになる。当時、静岡県内で実施された初代ソアラの報道陣向け試乗会に参加したが、デジタル表示を駆使したインテリアの斬新さに驚いたものだ。 ■チューニングカーというカルチャーを経て 同じころ、チューニングカーブームが起こる。ターボチャージャーを後付けすることでエンジン性能を引き上げたりサスペンションを改良したりしたほか、派手なボディパーツ(エアロパーツ)の装着も目立った。