伊賀市長に稲森稔尚氏 5氏破り初当選、市長市議ダブル選
【伊賀】任期満了(20日)に伴う伊賀市長選と、自主解散に伴う市議選(定数22)が10日、投開票された。市長選では前県議の稲森稔尚氏(40)が現職と新人の計5人を破り、初当選を果たした。新市議の顔ぶれも決まった。 市選管によると、市長選の投票率は61・93%で前回市長選から9・1ポイント上昇。市議選の投票率は61・92%で、前回市議選を5・34ポイント上回った。当日有権者数は6万8339人(男3万3003人、女3万5336人)だった。 市長選には、過去最多の6人が出馬。3期12年にわたる現市政の継続か、刷新かが最大の争点となった。市が実施している「18歳成人式」は現職が継続を訴え、新人の5人が「20歳のつどい」に戻すなどの見直しを主張した。 稲森氏は平成21年の市議選で当選し、2期目半ばで県議に転身。県議の3期目半ばで市長選に臨んだ。選挙戦では、約15年半にわたる議員経験を強調。子育て支援の充実や農林業の振興などを訴え、幅広く支持を集めた。 同市柏野にある稲森氏の事務所では10日午後11時ごろ、稲森氏の当選が確実な情勢となると、集まった支持者から拍手と歓声が上がった。稲森氏は支持者らと握手や万歳で当選を喜んだ後、報道陣のインタビューに応じた。 稲森氏は取材に「草の根で支えてくれた市民の輪が大きくなり、手応えを感じていた」と選挙戦を振り返った上で「地域の悩みや困りごとなど、一人一人の声を政策にしたい」と強調。公共サービスの立て直しなどを図る考えを示した。 「これまでは議員として知事や市長を追及してきたが、これからは追及される側。声を受け止める側に変わらなければならない」とも。「大前提として、市長と市民がけんかをしていてはいけない。職員や市民と歩みたい」と語った。 市議選では、無所属の前職2人と共産の前職1人が落選。当選者の内訳は、前職15人、元職1人、新人6人。政党別では公明3人、維新1人、共産1人、草の根運動いが3人、無所属14人。うち女性は8人で、解散前から3人増えた。