新型の登場も間近? 国産最強モタードDR-Z400SM
軽量に仕立てられた車体に40PSの400ccエンジンを搭載し、2ストロークマシンに匹敵する運動性能を発揮したDR-Z400S。そのDR-Z400Sに17インチロードタイヤを組み合わせたDR-Z400SMは、国産モタードモデルの頂点と言えるモデルだ。 【画像】DR-Z400SMのディテールや関連モデルをギャラリーで見る(26枚) 文/Webikeプラス 後藤秀之、撮影協力/バイク王つくば絶版車館
レースから生まれたスーパーモタード
スーパーモタードは元々スーパーバイカーズとしてアメリカで始まった、オンとオフを混ぜたコースを走るレースが起源だ。アメリカからヨーロッパへと伝わったスーパーモタードは、主にフランスで人気を博したためフランス語で「バイク乗り」を表す「モタード」という言葉が使われるようになった。元々はダートトラッカー的なバイクが使われていたが、ヨーロッパではモトクロッサーをベースに17インチホイールを履かせるというのが基本スタイルとなり、そのままジャンルとして定着した。 スーパーモタードタイプのバイクはKTMやハクスバーナといったヨーロッパのメーカーがラインナップ始め、日本ではカワサキがKLX250をベースにしたDトラッカーを1998年に発売した。250ccクラスには2002年にスズキはDトラッカーのOEMである250SBを投入、2003年にはホンダがXR250モタードを、ヤマハは少し遅れて2007年にWR250Xを投入している。国内メーカーで400ccクラスに初めて投入されたスーパーモタードはスズキのDR-Z400SMで、翌年にはホンダがXR400モタードを発売した。
そのスペックは国産最強モタードと言える
スズキDR-Z400Sは排出ガス規制によって2ストローク250ccエンジン搭載車が生産中止となっていく中、その穴を埋めるべく2000年に発売されたオフロードモデルだ。2ストローク250ccオフロードモデルと同等の40PSを発揮するエンジンを、徹底的に軽量化することで乾燥重量129kgに仕上げられた車体に搭載することで高い走行性能を発揮した。 DR-Z400SMはこのDR-Z400Sをベースにしたスーパーモタードモデルだ。エンジンはエンデューロレーサーDR-Z400と同時開発された水冷4ストロークDOHC4バルブ398ccで、最高出力29kW(40PS)/7500rpm、最大トルク39N・m(4.0kgm)/6500rpm。ボア×ストロークは90×62.3mmのショートストローク設定で、非常に快活な印象を受けるエンジンだ。ライバルとなるXR400モタードのエンジンは空冷4ストロークSOHC4バルブ397cc、最高出力22kW(30PS)/7000rpm、最大トルク33N・m(3.4kgm)/5500rpmであり、スペックではDR-Z400SMが大きく上回っていた。 フレームなどは基本的にDR-Z400Sと共通だが、サスペンションをオンロード向けにセッティングし、前後に17インチサイズのホイール+オンロードタイヤが与えられている。フロントフォークはDR-Z400Sが正立タイプだったのに対して、モトクロス競技車両RMシリーズと同じタイプの倒立式フロントフォークを採用することで路面追従性をアップ、リアにはテーパードタイプのスイングアームを採用して作動のしなやかさと高い剛性を両立している。