巨人・阿部監督「すごい攻撃だったね」九回一挙9点で大逆転 2位・広島に連勝で3差 13日にもM「12」点灯
「広島2-9巨人」(11日、マツダスタジアム) 少しかすれ声の巨人・阿部監督が、冷静に言葉を絞り出した。眼前に広がった奇跡的な光景。「我慢、我慢」と信頼した選手に託し、ミラクル9得点の逆転勝利を決めた。積極采配で勝利した初戦から一転、静の采配で突破口を開いた。勝ちで今季最多貯金14、最短で13日にマジック「12」が点灯する。 【写真】失速の広島 勝負の9月に弱点浮き彫りに グラウンドを見つめる新井監督 ドラマは2点を追う九回に起きた。ただ、指揮官が勝因にしたのは八回、2人の好守に「流れがきた」と風を読んだ。先頭代打・磯村の二塁頭上のライナーを、吉川がジャンプ一番で倒れ込みながら好捕。続く秋山の打球は遊撃・門脇がつかみ取った。劣勢の中で集中力は切れていなかった。 直後の攻撃。連続四球で一、二塁とし、坂本に打順が巡った。セオリーなら犠打で二、三塁とする場面。阿部監督はベテランに託した。「もう(サインは)何もないから、どんな結果でもいいから好きに打ってこい」。互いに長くチームを背負った絆がある。坂本も「思い切っていけた」と感謝した信頼のゲキ。きっちり左前打でつないだ。 8者連続出塁、打者13人の猛攻で9得点。球団では、77年6月13日の大洋戦以来47年ぶりで、同年もリーグ優勝を遂げている。2位・広島に連勝で3ゲーム差。ゴールテープに向かう足音が徐々に力強さを増す。「本当にすごい攻撃だったね。ただ、僕らはまだまだだと思っている」と指揮官。静と動の采配で「鬼門」マツダで連勝。歓喜のセプテンバーが見えてきた。