【こんなところを歩けちゃうの?】ロープウェーで登れるスリル満点の岩峰ルート「八海山」の紅葉具合をレポートします<新潟県・南魚沼市>
■10月の連休直後の紅葉具合は6、7割程度
取材陣は10月の連休明けに、八ツ峰ルートを登りに訪れました。 通常は8時からロープウェイの営業開始なのですが、11月10日までは7時発の早朝特別便が運行しており、登山者には嬉しい限り。運が良ければ、山頂駅から雲海を眺めることもできるそうです。 歩き出しから、下界よりも空気が凛と冷えた稜線歩きが始まり、千本檜小屋まででも十分紅葉登山を満喫できます。しかし、やはりこの山の核心部は八ツ峰にあります。 長い鎖場や梯子が連続し、緊張を強いられる岩山歩きが続くので十分な登山経験が必要ですが、岩と紅葉の織りなす世界は、ぜひ一度体感していただきたい美しさでした。 先週の段階で紅葉の状況は6、7割ほど。先日の冷え込みで、さらに進んでいることが予想されます。 ちなみに、八ツ峰を抜けて戻る際には巻き道を通ることができます。しかし、この巻き道もかなりのハードさ。紅葉の時期は混雑で通過に時間がかかることも考えられるので、ルートタイムはしっかり余裕をみてとっておきましょう。
■装備選びと計画は慎重に
八ツ峰を歩く場合、必要な装備は通常のハイキングとは少し異なります。岩登りがしやすいしっかりとした登山靴、落石や転倒時の怪我を防ぐヘルメット、冷たくなった鎖や梯子でも滑りにくく、しっかりつかめるグローブを用意した方が良いでしょう。 また、稜線上からの落石がありそうなパートを通過するので、巻き道でもヘルメットを被っておいた方がベターです。 千本檜小屋までであれば、通常のハイキング装備で対応可能です。 今のところ、週間天気予報では今週末の魚沼市は晴れのち曇り予報。週明けからはしばらく雨が続く予報なので、紅葉のいい時期の八海山登山はラストチャンスとなりそうです。 空模様と相談しつつ、週末の紅葉登山の候補地としてみてはいかがでしょうか。 池田 圭(いけだ けい) 編集・ライター。登山、キャンプ、サーフィンなど、アウトドア誌を中心に活動する編集・ライター。共著に『”無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術(グラフィック社)』。これまで編集を手掛けた書籍に『焚き火の本』、『焚き火料理の本』(ともに山と溪谷社)、『山グルメ』、『クリエイティブ登山思考』(共にエイ出版社)、『サバイバル猟師飯』(誠文堂新光社)など多数。 @hammock_hiking @takibi_ryorinohon 大内 征(おおうち せい) 低山トラベラー/山旅文筆家 土地の歴史や物語を辿って各地の低山を歩き、自然の営み・人の営みに触れながら日本のローカルの魅力を探究。ピークハントだけではない“知的好奇心をくすぐる山旅”の面白さとトレイルを歩く楽しみ方について、文筆と写真と小話で伝えている。 2016年よりNHKラジオ深夜便「旅の達人~低い山を目指せ!」に毎月レギュラー出演中。2022年よりLuckyFM茨城放送「LUCKY OUTDOOR STYLE~ローカルハイクを楽しもう~」のパーソナリティを担当している。NHKBSプレミアム「にっぽん百名山」では雲取山と王岳・鬼ヶ岳の案内人として出演した。著書に『低山トラベル』、『とっておき!低山トラベル』(ともに二見書房)、『低山手帖』(日東書院本社)などがある。 現在、テレビやラジオ番組のゲスト出演、雑誌やウェブマガジンの寄稿、登山講座の講師、地方自治体のプロジェクト参画など、低山に精通する第一人者として精力的に活動中。NPO法人日本トレッキング協会常任理事。宮城県出身。 @sei_ouchi
池田 圭,大内 征