大学時代に猶予されていた年金保険料を払わないでいると将来の受け取れる金額もかなり減りますか? 初任給も低いし奨学金の返済もあって、払えそうにありません。
大学時代、所得が少ないため年金保険料の猶予を受けていた人もいるでしょう。猶予を受けていた場合は将来受け取れる年金額が減ってしまうため、追納制度を利用して受給額を増やしてください。 本記事では、大学時代に年金保険料が猶予されていてなおかつ追納しなかった場合に受け取れる将来の年金額がいくらになるかと、追納制度について解説します。金銭的な余裕ができたタイミングで年金保険料を納めたいと考えている人は、参考にしてください。 ▼年金機構から「差し押さえ」の手紙が届いた! 口座残高「ゼロ円」で差し押さえる財産がなければ大丈夫?
年金保険料が猶予されていた場合の年金額
国民年金の年金保険料は、20歳になった日本在住の人が必ず納めなくてはなりません。しかし、収入が少ない学生のための「学生納付特例制度」を利用すると、年金保険料の支払いが猶予されます。 しかし、猶予され続けていた年金保険料をそのまま払わなかった場合はどうなるのでしょうか。本項では、年金保険料が猶予される学生納付特例制度および猶予されていた期間に保険料を追納しなかった際の年金受給額について解説します。将来、いくらの年金を受け取れるのか見ていきましょう。 ■年金保険料納付が猶予される学生納付特例制度 学生でなおかつ一定の所得以下の人は、年金保険料の納付が猶予されます。注意したいのは、免除ではなく猶予であるということです。猶予期間は受給資格期間には算入されるものの、受給年金額には反映されません。 ■年金保険料納付を猶予していた場合の年金額 学生納付特例制度を利用して年金保険料が猶予された後、追納しなかった場合は将来どれくらいの年金額を受給できるでしょうか。以下で、令和6年度に受け取れる年金額を目安に見ていきましょう。 老齢基礎年金の受給額は【81万6000円×(保険料納付済月数÷480月)】で計算します。40年間年金を払い続けていた場合は、満額である年81万6000円を受け取れます。 2年猶予されていて追納しなかった場合に受け取れる年金額は、以下の計算で導き出せます。 81万6000円×(保険料納付済月数456月÷480月)=年77万5200円 たとえば、20~22歳の2年間で保険料納付が猶予されていた場合は、満額受給額に比べて年4万800円受給額が少なくなります。生涯で受け取れる年金受給額は、20年受給する場合であれば81万6000円少なくなるでしょう。