初めてのマイカーはホンダ「1300 クーペ」…ドライサンプが自慢の「ナイセストカー」でナイスな青春を謳歌!【クルマ昔噺】
リアボディを押してみると足まわりが「ぶにゃぶにゃ」
足まわりはアンダーステアを助長する、異様に柔らかなリアサスペンションのおかげもあって、乗り心地は良かったように感じた(他を知らなかったので)。そのリアサスペンションは、クロスビーム式と言って、リーフを釣るアームの支持がほとんど反対側にタイヤ近くに付く珍しい構造。リーチが長くキャンバー変化が少ないというのが採用の理由らしいが、とにかくリアを押してみると「ぶにゃぶにゃ」であった。 大いに惚れたのはそのスタイルで、ノーズのデザインは当時のポンティアックなどに似たデザイン。ところがセダンが登場した東京モーターショーに出た時のグリルデザインは、全然違っていた。どうも最初の「77」というセダンのグリルは違っていたようである。当時の写真があるから見比べて欲しい。 いずれにせよ、空冷にこだわりを持っていた当時のホンダは、F1も空冷で作り上げたがそれも失敗に終わり、とりわけ排ガスへの対応が難しかったのか、その後は水冷に軌道修正した。ホンダ 1300はその後「145」という名前に変わり(ボディスタイルは同じで)、当時の「シビック」と同じ水冷直4ユニットに変わった。排気量は1433ccとなり、145の車名はそのあたりから来ているのだと思われる。まあ、これも失敗作になってしまったが……。
中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
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