昨季「38年ぶり日本一」今季「リーグ2位」でも阪神・岡田監督“退任”のナゾ…「別になにもないよ」のウラにある事情とは
教えることができるうちに
「打線の低迷でチームが波に乗れなかった前半戦、岡田監督が佐藤輝明(25)や大山悠輔(29)を直接指導する場面も見られました。『担当コーチを介しての指導』を掲げていただけに、ちょっと驚きでした。相手投手が去年と同じ配球をするはずがないだろうと言って、叱責することもありました」(前出・同) その直接指導だが、試合前、「ちょっと言っておかなアカン」と言って選手を集め、相手投手の配球が厳しくなったことを伝えることもあった。しかし、その「ちょっと」が1時間近くに及ぶこともあったというから、裏を返せば、「できるうちに全てを教えてやりたい」と、退団を念頭に置いた言動だったのかもしれない。 「春季キャンプ前、球団による健康診断があったんですが、岡田監督の膵臓に影が見つかったそうです。異常なしと診断されましたが、万が一を考えて、キャンプ終盤に球団が再検査を勧めました。キャンプ打ち上げの翌日(2月28日)、兵庫県内の病院で再検査を受けています」(前出・関係者) ペナントレース中の様子からして、再検査も異常なしだったのは間違いなさそうだが、「もう1年やらせてくれ」と岡田監督が球団に訴えていたら、旧阪急グループ出身以外のフロント幹部も反対はしなかったはずだ。 セパ交流戦中の5月31日、阪神は千葉ロッテに延長10回に押し出し四球によるサヨナラ負けを喫している。この日、杉山オーナーの姿がZOZOマリンスタジアムで確認されている。チームを激励するのが目的であれば、ホームの甲子園球場で試合のある他の日でも良かったはずだ。岡田監督はノーコメントで球場を後にしているが、宿舎ホテルで杉山オーナーと対面したという。話し合いの詳細は不明だが、このときに来シーズン以降に向けた気持ちが確認されていたのかもしれない。 昨季は18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶり2度目の日本一。今季もまだ日本シリーズ「アレンパ」の可能性は残されている。後任監督は「勝って当然」のチームを引き継ぐため、重圧との戦いになる。 デイリー新潮編集部
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