2025年、ビットコイン相場を徹底予想!トランプ政権で20万ドルも視野、要注意は「失望売り」リスク
(松嶋 真倫:マネックス証券 暗号資産アナリスト) ■ ビットコイン上昇はどこまで続くか 【表】過去には94倍になったことも…アノマリーに従えば20万ドルが視野に入るビットコイン 2024年の暗号資産市場は、4度目となるビットコインの半減期イヤーとして幕を開け、その期待通り相場全体が活気づいた。 1月には米国でビットコイン現物ETFが上場し、これを契機に機関投資家を含む幅広い投資家層から新たな資金が流入した。マウントゴックスやドイツ政府など大口保有機関に関連した売却リスクが懸念される局面もあったが、米国の利下げ転換が市場を下支えし、相場は持ち直した。 その後、11月の米大統領選挙では暗号資産推進派であるトランプ氏が勝利。「トランプ・トレード」とも呼ばれるリスク資産への資金流入が加速し、ビットコインは1BTCあたり1500万円を超えて史上最高値を更新した。 今回は、2025年の暗号資産市場で注目すべきテーマについて取り上げ、ビットコインの上昇が果たしてどこまで続くのかを考察する。
■ (1) 「アルトコインブーム」が湧きおこる可能性 2025年の注目テーマの一つは、米国における暗号資産規制の見直しである。トランプ次期大統領は、バイデン政権時代の取り締まりを不合理だと批判し、就任後早々に新たな暗号資産規制ガイダンスを策定する意向を示している。 その中核を担うと考えられるのが「Financial Innovation and Technology for the 21st Century Act(FIT21)」である。この法案は、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の監督範囲を明確化し、企業が直面してきた不当な訴訟リスクを軽減する内容となっている。 こうした規制の明確化により、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)市場に明るい兆しが見えてくる。 現在、ビットコインとイーサリアムが現物ETFの対象となっているが、今後はソラナやリップルといった主要アルトコインにも波及する可能性が高い。 また、「ステーキング」と呼ばれる利回りの仕組みが解禁されれば、イーサリアムなどの暗号資産がキャピタルゲインだけでなくインカムゲインを得られる金融商品になる。これらの動きは機関投資家や個人投資家の需要を新たに引きつける可能性がある。 一方で、アルトコインブームは投資家がリスクオンに傾いていることを意味しており、市場の過熱に伴う急激な調整リスクを警戒する必要がある。その動向を探るための一つの指標として、ビットコインのドミナンス(暗号資産市場全体に占める時価総額割合)が有効であり、その値が2025年に入ってどのように推移するか要注目である。