「夏必ず戻ってきます」 国士舘ナイン帰京の途へ /東京
<第91回センバツ> 第91回選抜高校野球大会に出場し、27日に惜しくも初戦敗退した国士舘(世田谷区若林4、福田三郎校長)は、試合から一夜明けた28日朝、兵庫県西宮市の宿舎を出発し、帰京の途についた。松室直樹主将(3年)は宿舎のスタッフに「夏の甲子園で必ず戻ってきます」とあいさつした。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 前日の明石商(兵庫)戦で七回途中まで122球を投げた主戦・白須仁久投手(3年)は、都内の実家に一旦戻り、祖父2人の仏前に「甲子園はやっぱり楽しかったよ」と伝えるつもりだ。2人は白須投手が小学生の頃から応援し、テレビで高校野球を見ながら「お前も甲子園に行けよ」と励ましてくれた。 特に、同居していた父方の祖父は、病弱で球場に足を運べないため、ビデオカメラで撮影した白須投手の試合を見るのが何よりの楽しみだったという。白須投手が国士舘に入学し、1年の5月に初めてAチーム(1軍)に昇格したことを報告すると、病床で「すごいじゃんか」と喜んでくれた。それが最後の会話となった。 明石商戦の前「天国にいるおじいちゃんに自分の活躍を見せたい」と話していた白須投手。勝利こそつかめなかったが、この日は「自分の課題が分かった。今後の練習に生かしたい」と早くも気持ちを切り替えていた。 国士舘野球部は、4月1日に本大会が始まる春季都高校野球大会(都高野連主催)を見据え、29日に練習を再開する。【川村咲平】 〔都内版〕