我が子に見つからないようキッチンの床で隠れて食べる朝食。ハプニングまみれの子育てエッセイに共感の嵐!【書評】
中には今まさに、自分の子どものさまざまな成長を嬉しく感じつつも、どうしようもない部分に手を焼いたり、子育てが嫌になる…と日々奮闘しているお母さんもいることだろう。 同じように子育てに奮闘するママ友がいれば悩みを共有できたりもするし、夫や家族が味方になってくれる人もいる。しかし育児の大変さを、なかなか他に共有できないという人もきっといるはずだ。 本エッセイはそんな人にとって、子育ての悩みを共に抱え、支えてくれる存在ともなってくれる。この世に生まれてまだ1~2年しか経っていない我が子。それは同時に、著者も作中で語る通り、母親もまたこの世で1~2年しか親の経験がないということだ。 いろんなことに不慣れで、上手くいかないことがたくさんあるのも当たり前なのである。
自分の子育てではできないこと、大変なことがたくさんで、辛い思いをすることも多いかもしれない。だが、こうして本作のように第三者の目から誰かの子育てを見ると、思わずくすりとするような出来事や、笑い事ではないけれど思わずおかしくて笑ってしまう。そう思えることもたくさんある。それに気付くだけで、きっと多少は子育てへの悩みが楽になるはずだ。 子どもがいない人には、育児の大変さや楽しさ、そして何より子どもの可愛らしさを、そして今まさに育児に励む人には、「頑張りすぎないでいい」と、肩の力を抜くような応援をくれる本エッセイ。 どんな人が読んでも楽しめる独特のユルい空気感から、ぜひ多くの人に”ぐっちゃん”の成長を本作から感じたり、子育ての空気感を味わったりしてみて欲しい。
文=ネゴト/ 曽我美なつめ