櫻井翔がジョセフHCから引き出したW杯開幕相手ロシアとの異例前哨戦計画
ラグビーワールドカップの開幕を1年後に控えた20日、港区の明治記念館で「ラグビーワールドカップ2019日本大会1YEAR TO GO KICK―OFF EVENT~1年前記念イベント~」が、統括団体であるワールドラグビーのビル・ボーモント会長、アグスティン・ピチョット副会長、御手洗冨士夫W杯組織委員会会長、日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏ら関係者が出席して行われた。PRキャプテンとして俳優で高校時代にラグビー部だった舘ひろしさんが就任、人気グループ「嵐」の櫻井翔さん、元日本代表で大会アンバサダーの大畑大介さんらも登場。櫻井さんが、絶妙のトーク力で、ジョセフHCから今大会でベスト8を目標とする日本代表が、11月のイングランド遠征でロシアとテストマッチを行う計画を引き出した。ロシアは、来年のこの日、W杯の開幕戦で対戦する相手。異例の前哨戦だ。
櫻井翔さんの抜群のトーク力が予期せぬサプライズを引き出した。 PRキャプテンに就任した舘ひろしさんと、嵐の櫻井翔さん、大畑大介さん、ジョセフHCの4人のトークセッションで、まだ未発表の日本代表の強化計画が判明することになったのだ。 司会役を任された櫻井さんが「主将のリーチ・マイケルさんがW杯は初戦が大事と仰っています。ロシア戦はどう入りますか?」と、ジョセフHCに話をふると、思わず口を滑らせた。 「タフな試合になる。ロシアは最後になってプールAに入ってきた。どういうチームか不明な点はある。探っていきたい。11月にはロシアとも対戦する。オールブラックス、イングランド戦に注目は集まるが、ワールドカップに向けては、ここ(ロシア戦)が大事だ」 まだ公式アナウンスのないロシア戦が、11月3日のオールブラックス戦、17日のアウェーでのイングランド戦に続いて、24日に組み込まれていることを漏らしてしまったのだ。 櫻井さんは、慶応の小学校時代に、黄色と黒のタイガージャージに憧れてラグビー部に入部、2年間、スクラムハーフとしてプレーした経験がある。 「当時は、身長が130センチくらいしかなくてタックルが怖くて怖くて」との思い出を語ったが、ラグビーへの見識があり、W杯日本大会の“宣伝マン”としてトップリーグの試合観戦や、実際にパナソニックの練習現場にも取材で足を運んでいる。その熱心さに加えて「がっつり質問を用意しています」という質問力と、頭の回転の速さはさすがで、ジョセフHCのサプライズ発言をうまく引き出したのである。 その後のメディアとの質疑応答で再度、確認されたジョセフHCは「テストマッチや日程のことは協会に質問してほしい。11月の欧州遠征の最後の試合でロシアと対戦することは決まっている」と苦笑いで答え、「未知なチームだし、このロシア戦はワールドカップへの準備段階で大事な位置づけになる」と続けた。 ロシアは運よく最後に滑り込んできたチームだ。 当初、日本の開幕戦の相手は、ヨーロッパ予選を1位で通過したルーマニアに決まっていたが、代表資格のない外国人プレーヤーが出場していた問題で、ルーマニアと2位のスペインの勝ち点が減点され、3位のロシアが繰り上げで出場権を得た。 それが、今年の5月。過去に日本はロシアと5戦を戦い4勝1敗の対戦成績で、直近の試合は、2013年にウェールズで行われ40-13で快勝しているが、なにぶん5年も前の話では、そう参考にはならない。 5チームごとに4つのプールに振り分けられた予選リーグのプールAで、日本は、ロシア(19位)、アイルランド(2位)、サモア(16位)、スコットランド(6位)と順に対戦していく。5チームのうち上位2チームがベスト8となりノックアウト方式の決勝トーナメントに進出する。単純計算すると3勝することが最低条件で、ランキング11位の日本は、格付けからいくと、下位のロシア、サモアには、絶対に負けられないのである。 大会アンバサダーの大畑さんも、トークセッションの中で「大事なのは初戦の入り方」と、この開幕戦を予選リーグを勝ち抜くためのポイントのひとつに挙げていた。