黒豆「出立」 東京・上野東照宮に奉納へ 幕府に献上の歴史、軽トラで再現/兵庫・丹波篠山市
兵庫県丹波篠山市の冬の特産「丹波黒大豆」が江戸幕府に献上された歴史を再現しようと6日、同市の篠山城跡三の丸広場から東京・上野東照宮に向かって黒豆を載せた軽トラックが出発した。徳川家ゆかりの地を巡り、12日午前10時半から上野東照宮で奉納式を開催する。 「まめに暮らす」などの語呂合わせで縁起物とされるおせち料理の定番。また、たんぱく質や食物繊維、ミネラルが豊富で、健康的な生活をサポートする食材でもある。 徳川吉宗が篠山藩から献上された黒大豆を喜んだという記録があるほか、徳川慶喜は、父の徳川斉昭から「長命の秘訣は毎日百粒の黒豆と牛乳を飲むこと」とされた書簡が残っているという。
奉納式は、日本農業遺産にも認定されている産地の活性化と、黒豆をより多くの人に知ってもらおうと、地元の黒豆卸問屋「小田垣商店」(小田垣昇社長)と市観光協会、黒豆を使った商品を販売している「フジッコ」(福井正一社長)で実行委員会を作り、昨年から開催。「暴れん坊将軍」で吉宗を演じている松平健さんが黒豆親善大使を務めるほか、徳川家19代当主の徳川家広さんらが参列する。 来年の大阪・関西万博に合わせて、4月から1年かけて同市で開く「丹波篠山国際博」のPRも兼ねており、第一ドライバーとしてハンドルを握った小田垣社長は、「生産者が丹精した黒豆をPRしつつ、私たちの美しい農村を未来につなげられるよう、国際博も知ってもらい、各地の皆さんが丹波篠山に来てもらえたら」と笑顔で話していた。