【高校サッカー選手権】6人で8得点のゴールラッシュ!静岡学園が日大三島を圧倒
第103回令和6年度全国高等学校サッカー選手権大会静岡県大会の決勝トーナメント1回戦が県内2つの会場で行われた。藤枝総合運動公園サッカー場ではプレミアリーグWESTの静岡学園と静岡県ユースリーグCの日大三島が対戦。試合は大量得点を挙げた静岡学園が8-0で日大三島に圧勝し、2回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】静岡学園 vs 日大三島 試合は一方的な静岡学園ペースとなった。前半5分、右サイドのクロスから中央、MF24篠原怜音(2年)が右足で押し込むと35分、ドリブル突破したMF7天野太陽(3年)が右足で決め追加点。続く37分にはMF11原星也(3年)のシュートのこぼれ球をFW13乾皓洋(3年)が押し込み、試合を折り返した。 後半は前半以上のゴールラッシュに。後半5分、CKからDF3岩田琉唯(3年)が頭で押し込むと14分にPKのチャンスでFW13乾が決め、5点目。18分にはMF11原がゴールネットを揺らす。以降も25分と35分には途中出場のFW12 佐々木雄基(2年)が決め、計8ゴール。MF11原が1G1A。FW12佐々木、MF13乾はともに2得点。MF22望月就王(3年)が3アシストを記録。シュート数は日大三島の3本に対し、静岡学園は34本と圧倒した。 印象では緊張のキの字も感じさせない、堂々とした戦いぶりを見せた静岡学園でも、初戦はやはり固さが出るもの。「前半、試合の入りは良くなかったですし、固さはめちゃめちゃありました」と静岡学園・川口修監督。川口監督によれば前半は中盤のボールの寄せ方が甘く、軽いプレーで簡単に抜かされるシーンもあり、イージーなミスがあったと指摘。その原因について、プレミアリーグWESTとの強度の違いやボールを持つ時間が長いことで選手に多少の戸惑いと迷いがあったとした。しかし、すぐ修正できるのが強豪の証。ハーフタイム中のミーティングで今一度確認。これが功を奏した。「後半は緩いプレー、個人のミスはほぼありませんでした」と指揮官が話すようにプレーがギュッと引き締まった。MF11原も「前半のプレーは緊張によるタイミングのズレなどがあり、自分のプレーは納得していません。しかし後半は左サイドに入って、持ち味を出せ、ゴール、アシストができました」と前後半の変化を語った。前半の3点に対し、後半は5点。ゴールシーンは個人技だけではない多くの選手が関わったことでもわかる。 8-0の完勝劇には、分岐点があった。それは前半35分、MF7天野があげたチーム2得点目。 前半、終盤にむかうこの時間帯、静岡学園はペナルティエリア付近で守りを固める日大三島をサイドから、中央からと押し込み、追加点を狙うべく、攻めに攻めた。しかし、1点目の前半5分から2点目までの時間が長くなったためか、焦りがにじみ出ていた。それを見透かすように迎えた後半34分、日大三島、CKのチャンス。これがあわや同点というきわどいボールだった。 ピンチのあとにチャンスというべきか、直後の35分 MF7天野のゴールシーンは目を見張った。 味方のロングボールのこぼれ球を拾ったMF7天野は相手DF2人に挟まれながら、強引に中央突破。スペースが広がった瞬間を逃さず、右足で流し込んだ。 「前に2人いましたが、行けるかなと思い仕掛けたら、突破できました。2点目までの時間が空いて、シュートが決まらないなか、焦りはありました。ピンチのあと、全体が引くのではなく、前に出ることが大事。自分が2点目を取ったことでチームに流れを作れました」とMF7天野。その言葉通り、次の3点目が2分後の37分、そして後半のゴールラッシュへの流れを作った貴重な得点だったと言える。 準々決勝に進んだ静岡学園は11月4日、清水桜が丘と対戦する。川口監督は「苦しく、難しいゲームになると思います。気を引き締めて臨みたいです。桜ケ丘は伝統校なので、必ず力を出してきます。こちらは自分たちの特長を出したいです」と気を引き締めた。 一方、敗れた日大三島。8失点したものの、GK1日吉悠斗(2年)が何度もファインセーブを見せ、獅子奮迅の守りを見せたことを最後に記したい。 (文・写真=佐藤亮太)