【競輪】車番は公平にすべき、初手の並び重要/中野浩一
<中野浩一のザ・提言2024(上)> KEIRINグランプリ(GP、30日・静岡)まであと5日。今年も年末恒例の「ザ・提言」を3回連載します。日刊スポーツ評論家の中野浩一氏が、愛する競輪界に向けて忌憚(きたん)ない意見を発信します。 ◇ ◇ ◇ いま、一番目につくのはスタート直後の内圏線踏み切りだ。スタート取りに失敗しても、前の選手の後輪に前輪を差して、内圏線の内側を踏み上げていく。場合によっては失格では? というケースも少なくない。最終4角からのイン抜きは厳密に判定するのに、スタート直後の内側追い抜きには曖昧な点が多いと感じる。また、アウトの選手も完全に自転車1台分、抜け出す前に外帯線の内側に切り込むことも多い。落車や車体故障を起こさせれば失格となるが、その行為そのものがいただけない。一方、されたインの選手もそれをいいことに堂々と内線を切っている。 今の競輪は初手の並びが重要だ。だからこそ、車番も番組マンが恣意(しい)的に入れるのではなく、ミッドナイトのように1番車から競走得点順に入れるとか、もしくは公平に抽選にするべきだ。 競輪を推理するのに、スタートの位置取りから考えるファンも多い。むしろ、それが競輪のセオリーであり醍醐味(だいごみ)だろう。それほど大切なスタートの位置取りなのに、簡単に近道した選手が何のおとがめもなく走る。これでは真剣に展開を推理したファンも拍子抜けだ。 もちろん、妨害を受けて、やむなく内線を切るケースもあるだろう。それは免責になるとしても、技術的にそういう走りが無理なら、養成所でもう1度、学んでこいということになる。 誰の優先走路なのかということを明確化した、分かりやすい判定を求める。