「家を片づけたら、子どもが賢くなった!」片づけのプロが提唱する“片づけ”と“成績アップ”の意外な関係性
勉強でも「いる・いらない」の判断ができる
親が家を片づけると、その姿を見て子どもも片づけをするということはよく見られる傾向です。自分が片づけているだけで子どもたちも自然と片づけるようになったと、Aさんも話してくれました。物を片づけるときに、子どもが自分で「いる・いらない」の判断をしていくと、だんだんと判断するまでの時間が早くなります。あふれかえるほどの塾のプリントも手際よく必要な物だけを残せるようになるので、片づけに手間や時間がかかりません。新しくテキストやプリントをもらったタイミングなど、定期的に塾の物を見直すような仕組みも自然と整えやすくなります。Aさんの家でも、「後で見返すかも……」とムダにたくさんのプリントをため込むことがなくなりました。 また、「いる・いらない」の判断をくり返しながら片づけを進めるので、思考も整理されていきます。自分の得意な分野や苦手な分野が冷静にわかるようになり、苦手な分野を克服するために必要な勉強や情報を判断しやすくなります。そのため、とても効率的に勉強に取り組めるようになるのです。 受験を控えたAさんの次男は、個室を使っていた長女と受験終了まで部屋の交換を申し出ました。自分が勉強に集中できる環境だということを判断できたということですね。実際に交換まで子どもたちだけで行ったそうです。家族みんなで片づけができているからこそすんなりとできたのでしょう。自分で自分に必要な環境を判断できて、さらに実行するところまでできているのが素晴らしいです。
ママに余裕ができて家の雰囲気がよくなる
家の中が片づいていると、ママの気持ちに余裕が生まれます。忙しい日々の中、「家が散らかっている」「ここも片づけなきゃ」と思うことが大きなストレスになっているのです。片づけができると、それらのストレスがなくなる上に、家事などが効率的に進むので自由な時間ができます。ママの余裕は家族にも伝わり、よい影響を生むことにつながります。 例えば、子どもの話をよく聞いてあげられるようになります。ママ自身が忙しいと、ゆっくりと子どもと話す時間をとることも難しいことがあるでしょう。学校のこと、塾のこと、勉強のこと、友だちのこと、いろいろ話すことが子どものストレスを軽減することにもなります。 また、子どもの自主性を大切に考えられるようになります。子どもが「こうしたい」と言ったとき、今はどのように答えているでしょうか。「ちょっと待って」「後でね」と答えていませんか? それは、子どもの気持ちを後回しにしているということです。Aさんは、子どもが「勉強に集中するために、ここに棚がほしい」と言ったとき、予定の合間をぬってすぐに買いに行きました。すぐに行ったからこそ、子どもの気持ちを尊重でき、勉強の環境も可能な限り早く整えることができました。 受験を控えた子どもに、親ができることは限られているかもしれません。「第一志望合格」までの道のりは人それぞれですが、「片づけ」が最高のサポートになり得ることも知っておいていただきたいです。ちなみにAさんがプロジェクトで片づけ始め、受験生の子どもも片づけられるようになったら、成績が塾でトップになったそうです。それまでは、平均くらいの成績だったとのこと。ほかにも、お子さんの偏差値が30近く上がったと報告してくれたプロジェクト参加者もいます。 これから受験生のお子さんに何をしてあげられるか悩んでいるという方がいるならば、私は親子で一緒に片づけることをおすすめします。