紅葉を見に山に登ろう!「山ってこんなに美しい場所なんだ」登山でしかたどり着けない絶景がある【作者に聞く】
今年も紅葉のシーズンがやってきた!公園や神社仏閣など近場で楽しむのもいいが、山々が一面紅に染まる絶景を見に出かけるのもいい。グランピングやソロキャンプなどアウトドアブームもすっかり定着した今、登山やハイキングを始めてみるのはいかがだろうか。 【漫画】「ゼロから山女子はじめてみました」本編を読む ――無趣味で無気力な干物女の私ですが…「ゆる登山」にハマって抜け出せなくなりました。 平凡な毎日を送っていたのに、ある日突然「登山」に目覚め、ゼロから「山登り」を勉強!「山女子」として活動する日常をかわいいイラストにして発信しているイラストレーター兼漫画家のありを(@arichon_official)さん。そんな、ありをさんが「山女子」として日常を送る実録漫画と、登山に興味がある方必読の山登り知識コラムをぎゅぎゅっとまとめた「ゼロから山女子はじめてみました」をご紹介。漫画を読んで「山デビュー」しちゃおう! ■散歩気分で山を楽しみ、「鎖場」「ガス」と山に翻弄! 今回は、登山口までロープウェイを使うことにしたありをさんと、同行者のはあ子さん。石鎚山以外でも、登山の道中にこうした乗り物を利用する機会は少なくない。 山の乗り物のなかではリフトが大好きだというありをさんは「唐松岳に行くときの八方アルペンラインのリフトに初めて乗りましたが、風を浴びながら足をぶらぶらするのが気持ちよかったです。乗り物の中で、得られる開放感はダントツです」と、乗り物ならではの魅力を語る。 無事登山口に到着し、自分の足で登りはじめた二人。最初こそ道も歩きやすく、散歩気分で森林浴を楽しんでいたが、進むうちに長い階段もあらわれ厳しさも味わうことに。 そんなありをさんを驚愕させたのが、崖のような斜面に設けられた鎖場だ。鎖を伝って進むためのものなので、当然鎖場はその山の難所だ。看板にも「大変厳しい岩場」と書かれているのに震えたありをさん、はあ子さんの提案もあり、今回は鎖場を迂回することに。 ちなみに、一言に鎖場といっても山や鎖の場所ごとに難易度は異なり、初心者でも挑戦できる鎖場もあるそう。 (1)傾斜の角度が少ない (2)落下しても即死レベルではない (3)距離が短い といった条件の鎖場なら、岩場に慣れていない頃でもハードルが比較的低めではと話すありをさん。また、鎖場は「登りよりも下りの方が恐怖を感じやすい」のもポイントだという。 「ちなみに、石鎚山の鎖場は本当に特殊だと思います。鎖の重厚感が凄いのと、本当に崖なんです(笑)。私なりに数年いろんな山を登りましたが、あそこはダントツで怖いと思います。特に3の鎖は初心者が挑戦していいものではなく、あれこそ“傾斜ドきつい・落下したら即死レベル・距離が長い”です(汗)」 「いつか私も登ってみたいなあ」と鎖場を後にしながら、二人は中間地点の「夜明かし峠」に到着。石鎚山を見渡せる絶景スポットなのだが、残念ながらその時は“ガスって”しまっていた。 「ガスる」とは、雲や霧により視界が白くなっている状態を指す山用語。「私の場合、ガスを教えてもらって以降、“通”ぶりたくてこの言葉をことあるごとに山で使ってました」と、ありをさんは笑う。 夜明かし峠は絶景を見逃したもの、山頂に近づくにつれ立ち込めていたガスが晴れ、くっきりと現れた山の美しさに思わず涙するありをさん。 今ではいろいろな山の絶景を経験しているありをさんは、今回以外でとりわけ印象深い山の光景に「広大な山脈のうち歩いたのはほんの一部ですが、本当に美しい景色を見せてもらいました」と、北海道の屋根と呼ばれる大雪山脈を挙げる。 「歩いたのは旭岳(裾合平周回コース)、トムラウシ(北沼まで)、十勝岳(十勝~美瑛岳周回コース)です。大地の呼吸を感じる火山、本州と異なる静かな登山道、見たことのない数の高山植物のお花畑、雪渓と緑のコントラスト、語り尽くせない魅力があります。あの地を歩くことができて、心から幸せでした」 山の楽しさ、険しさ、そして美しさ。山のいろいろな表情と対面しながら、今回のゴールである石鎚山山頂手前の弥山山頂に辿り着いたありをさん。最終回となる次回は、山の上で楽しむ「山料理」や、下山時だからこそ気付いたことなど、登りだけじゃない山の魅力が詰まったエピソードだ。 ■取材協力:ありを(@arichon_official)