【新NISA】結局どうする?「積立投資」と「一括投資」併用をシミュレーション
円安やエネルギー価格の高騰が大きな話題となっている昨今、物価上昇に頭を悩ませる方もいるかと思います。 【写真で見る】月5万円の積立と年60万円の一括投資を試算!積立投資シミュレーション結果をチェック しかし、国税庁が公表した「令和4年分 民間給与実態調査」によると、日本の2022年平均年収は458万円。平均年収は30年ほど大幅に上がっておらず、長らく400万円台のままとなっています。 人生100年時代、自分の力で資産形成をすすめていくことが重要視されています。 家庭環境や理想のワークライフバランスとの兼ね合いにもなりますが、老後の資金づくりは早めに進めておきたいものです。 そんな需要も相まって、2024年1月から新たにスタートした「新NISA」への注目度は高まりつつあります。 今回は、少額からでもスタートできる「新NISA」を例に「積立投資」と「一括投資」の併用についてシミュレーションしていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
新NISAをおさらい:「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用可能
2024年からNISA(少額投資非課税制度)は新しく、現行制度から大きく変わりました。 現行制度からの主な変更点は、以下のとおりです。 現行のNISAでは、一般NISAとつみたてNISAのどちらかの選択制でした。 たとえば、つみたてNISAなら年間40万円で最長20年間、非課税保有限度額800万円。非課税枠を使い切るまで20年かかるため、早く始めないと老後資金準備に間に合いません。 その点、新NISAでは老後資金準備のスタートが遅れたとしても「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の併用により、短期集中でまとまった資産形成も可能となりました。
【新NISA】「積立投資」と「一括投資」の併用をシミュレーション
それでは、新NISAで「成長投資枠」と「つみたて投資枠」を併用するプランをシミュレーションしてみましょう。 ●【新NISA】つみたて投資枠で月5万円ずつ15年間積立投資 まず、つみたて投資枠で毎月5万円ずつ15年間積立投資をする場合の積立金額を、金融庁の「資産運用シミュレーション」を用いて試算します。 ・想定利回り(年率)2.0%:1048万5643円(運用益148万6000円) ・想定利回り(年率)3.0%:1134万8634円(運用益234万9000円) ・想定利回り(年率)5.0%:1336万4447円(運用益436万4000円) 毎月5万円ずつ15年間積立てると元本900万円に対して、年率2.0%でも1000万円以上の資産になると見込めます。 将来の成果は不確定ですが、長期的に積立を続けることで安定した収益が期待できます。 ●【新NISA】成長投資枠で毎年60万円ずつ15年の一括投資 次に、成長投資枠で毎年60万円ずつ15年一括投資する場合を「終価係数」を用いて計算します。 15年間運用する場合、最初の年分は15年、2年目は14年と、運用期間は1年ずつ少なくなります。 年率2.0%、運用期間15年の終価係数は1.346。元金が60万円の場合、15年後の資産額は約80万7600円という形で試算してみました。 毎年60万円ずつの一括投資を15年間続けた場合の投資結果は、先述の積立投資とほぼ同じとなります。 初年度からの年ごとの資産額を加味した年率ごとの資産額の合計は以下の通りです。 ・想定利回り(年率)2.0%:1058万3571円(運用益158万3571円) ・想定利回り(年率)3.0%:1149万4129円(運用益249万4129円) ・想定利回り(年率)5.0%:1359万4495円(運用益459万4495円) ●【新NISA】15年後、「積立投資」と「一括投資」の併用で期待できる資産額 上記の試算結果から、15年間の積立投資と一括投資の想定利回りごとの合計金額は以下のとおりです。 ・想定利回り(年率)2.0%:2106万9214円(運用益306万9214円) ・想定利回り(年率)3.0%:2284万2763円(運用益484万2763円) ・想定利回り(年率)5.0%:2695万8942円(運用益895万8942円) いずれの場合も元利合計で2000万円を超える結果となりました。 年率2.0%でも運用益は300万円以上となり、課税口座では約60万円の税金がかかるところですが、NISAなら非課税です。